3万7000円という高コスパが信じられない充実装備の13型ノートPC「GemiBook」

CHUWI(ツーウェイ)は、中国・深センに本社を置き、ノートPC、タブレット、ミニPCなど幅広いラインナップを展開しているPCメーカー。そのCHUWIが、Windows 10搭載13.3型ノートPC「GemiBook」を発売した。価格はなんと349ドル(3万7000円前後)だ。

GemiBookは、CPUに安価なCeleronを採用しているものの、WQHD(2560×1440ドット)の13.3型IPS液晶ディスプレイを採用するなど、それ以外のスペックは低価格モデルとは思えないほど充実している。

今回CHUWIより実機を借用したので、約4万円でどの程度のクオリティーを実現しているのかという視点からレビューしていこう。

CHUWI「GemiBook」は349ドル(3万7000円前後、メーカー公式サイトで日本から送料無料で購入可能)

CHUWI「GemiBook」は349ドル(3万7000円前後、メーカー公式サイトで日本から送料無料で購入可能)

認証情報は本体底面に記載されている

認証情報は本体底面に記載されている

CPUはエントリークラス、SSDは1基増設可能

GemiBookはOSに「Windows 10 Home」、CPUに「インテル Celeron J4115 プロセッサー」(4コア4スレッド、1.50~2.50GHz)を採用。メモリー(RAM)は12GB(LPDDR4X-2133)、ストレージは256GB(M.2 SATA接続)を搭載している。

  • ディスプレイ: 13.3型IPS液晶。解像度WQHD(2560×1440ドット、光沢)、sRGBカバー率99.3%(実測)
  • CPU: Celeron J4115(4コア4スレッド、1.50~2.50GHz)
  • GPU: インテル UHD グラフィックス 600(CPU内蔵)
  • メモリー: 12GB(LPDDR4X-2133)
  • ストレージ: 256GB SSD(M.2 SATA接続)
  • Wi-Fi: 11ac(2×2。2.4/5GHz。Wireless-AC 7265)
  • インターフェイス: USB 3.0 Type-C、USB 3.0 Type-A、Bluetooth 5.1など
  • メモリーカードスロット: microSD
  • サイズ: 289×219×17.75mm
  • 重量: 約1280g
  • バッテリー駆動時間: 8.0時間(公称)
  • OS: Windows 10 Home

安価なノートPCはメモリー、ストレージがオンボード接続されており、換装・交換できないことが多いが、GemiBookはM.2 NVMe接続のSSDを1枚装着するためのスロットが用意されており、ユーザーが後からストレージを増量可能だ。メモリーは12GBと多めに搭載されているので、ストレージを増量すれば長く利用できるノートPCといえる。

本体裏面にM.2 2280スロットが用意されている。M.2 NVMe接続のSSDを装着すれば、ストレージを増量&高速化可能だ。なおフタの裏に貼られているのは放熱用の部材だと思われる

本体裏面にM.2 2280スロットが用意されている。M.2 NVMe接続のSSDを装着すれば、ストレージを増量&高速化可能だ。なおフタの裏に貼られているのは放熱用の部材だと思われる

M.2 2280スロットのフタはねじすべり止め液で固定されている。丁寧に組み立てられている証拠だ

M.2 2280スロットのフタはねじすべり止め液で固定されている。丁寧に組み立てられている証拠だ

ディスプレイは13インチWQHD IPS液晶(2160×1440ドット、光沢)を採用。画面比率が3:2と縦に広いので、ウェブページの閲覧や、ドキュメントの作成にもってこいだ。またディスプレイの色域を計測したところ、sRGBカバー率で99.3%と優秀な値が出た。カラーキャリブレーションを実施すれば、ウェブサイトの色確認にも利用できる色域だ。

カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率99.3%、sRGB比101.3%という広色域を記録した

カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率99.3%、sRGB比101.3%という広色域を記録した

ディスプレイは光沢仕様。液晶パネルの色域の広さも相まって、約4万円のノートPCとは思えないほど鮮やかで階調豊かに画像、映像を表示できる

ディスプレイは光沢仕様。液晶パネルの色域の広さも相まって、約4万円のノートPCとは思えないほど鮮やかで階調豊かに画像、映像を表示できる

ボディーはフルメタル製。ダイヤモンドカット加工こそ施されていないものの、ファーウェイのノートブックに迫る質感を備えている。本体サイズは289×219×17.75mm、重量は約1280g。バッテリーは38Whを搭載しており、バッテリー駆動時間は8.0時間とうたわれている。

フルメタルボディーは他社製低価格ノートPCの質感を大きく凌駕している

フルメタルボディーは他社製低価格ノートPCの質感を大きく凌駕している

放熱口は底面に大きめに確保されている

放熱口は底面に大きめに確保されている

インターフェイスは、USB Type-C×1、USB Type-A×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1、microSDメモリーカードスロット×1を用意。通信機能はWi-Fi 5(11ac)、Bluetooth 5.1をサポートしている。USB Type-Cは、USB Power Deliveryと映像出力に対応しており、サードパーティー製USB Power Delivery対応充電器で充電したり、モバイルディスプレーにケーブル1本で映像出力&給電できる。

右側面にmicroSDメモリーカードスロット×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1、USB Type-A×1、左側面に電源端子、USB Type-C×1が配置されている

右側面にmicroSDメモリーカードスロット×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1、USB Type-A×1、左側面に電源端子、USB Type-C×1が配置されている

同梱のACアダプターはDCプラグ仕様だが、USB Power Delivery対応の充電器でGemiBookを充電できる

同梱のACアダプターはDCプラグ仕様だが、USB Power Delivery対応の充電器でGemiBookを充電できる

キーボードはキーとキーにすき間のあるアイソレーション型(チクレット型)。打鍵感は良好で、バックライトも内蔵されている。ただし、日本語キーボードは用意されておらず、DeleteキーがBackspaceキーの下に、「\」(バックスラッシュ)キーがカーソルキーの下に配置されている。文字キーが等幅に揃えられている点はいいが、キー配置には慣れが必要だ。

キーピッチは実測19mm前後

キーピッチは実測19mm前後

低価格ノートPCとしては珍しくキーボードバックライトが内蔵されている

低価格ノートPCとしては珍しくキーボードバックライトが内蔵されている

一般的な用途であれば必要十分な性能を備えている

パフォーマンスについては、CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」のOpenGLが「13.55 fps」、CPUが「241 cb」、CPU(Single Core)が「72cb」。

「CINEBENCH R15.0」のOpenGLが「13.55 fps」、CPUが「241 cb」、CPU(Single Core)が「72cb」

「CINEBENCH R15.0」のOpenGLが「13.55 fps」、CPUが「241 cb」、CPU(Single Core)が「72cb」

3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では、「1467(設定変更が必要)」(1280×720ドット、標準品質、ノートPC。ウィンドウモード)となった。

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」が「1467(設定変更が必要)」(1280×720ドット、標準品質、ノートPC)

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」が「1467(設定変更が必要)」(1280×720ドット、標準品質、ノートPC。ウィンドウモード)

ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)が「454.04MB/s」、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)が「502.84MB/s」という結果だ。

「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)が「454.04MB/s」、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)が「502.84MB/s」

「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)が「454.04MB/s」、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)が「502.84MB/s」

ベンチマークを総括すると処理性能は決して高くない。特に3Dゲームなどは画質設定を低くしても、快適にプレイできるのはカジュアル系のごく一部だ。しかしブラウジング、動画視聴、オフィスアプリの利用などの一般的な用途であれば必要十分な性能を備えていると言える。

高負荷時のキーボード面の最大温度は29度(室温22.1度で測定)

高負荷時のキーボード面の最大温度は29度(室温22.1度で測定)

底面の最大温度は34.1度(室温22.1度で測定)

底面の最大温度は34.1度(室温22.1度で測定)

約4万円とは信じられないトータルバランスが光る高コスパノートPC

GemiBookの処理性能は決して高くはない。しかしフルメタルボディー、2Kディスプレイ、12GBメモリー、256GB SSD、SSD増設用スロット、USB Power Delivery対応USB Type-C端子と、約4万円のノートPCとは信じられないほど装備が充実している。絶対的な処理性能は割り切り、質感を含めたトータルバランスを重視するのなら、GemiBookはもってこいの1台といえる。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:CHUWI(ツーウェイ)ガジェットレビュー

投稿者:

TechCrunch Japan

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