今日(米国時間11/2)のMAXカンファレンスでAdobeは、クラウド生まれのLightroomふうフォトエディターProject Nimbusをプレビューした。それは、Adobeの従来からの旗艦製品的写真管理/編集アプリケーションから大量の複雑性を取り除いた、シンプルでスマートな(お利口な)ツールだ。まだ一般公開の予定はないが、来年にはベータが登場することだろう。
最近のAdobeは、モバイルアプリに力を入れている。多くの点でProject Nimbusは、Adobeがモバイルから学んだものの多くをデスクトップに還元したものだ、と言えよう。
同社が今日のデモで強調したのは、Nimbusが同社のそのほかのツールとシームレスに協働できることだ。画像やライブラリの形式はクラウド上のCreative Cloudスイートの仲間たちと共有できる形式であり、画像の編集は非破壊的かつ、複数のアプリケーションに反映される。Nimbusの基本設計方針のひとつが、ユーザーがデスクトップとモバイルをシームレスに行き来できること、だった。
このツールは、Adobeの最新の機械学習サービスも利用している。たとえば、ユーザーは自分のライブラリ中の画像を、自然言語で見つけることができる。GoogleもGoogle Photosでそれをやっているが、しかしLightroomでは、それらを再び見つけるためには写真にタグを付けておく必要があった。またNimbusの写真修正ツールは、クラウド上のCreative SDKや人工知能サービスAdobe Senseiを使っている。
Adobeは、同社の今後の成長路線が、ユーザーがいろんなデバイスやアプリケーションにまたがって仕事ができるようにすることにある、と信じている。モバイルアプリではすでにそれができているが、そこで学んだクロスプラットホームの重要性を、デスクトップにも持ち帰りたいのだ。
Project Nimbusは、まだ、その位置づけがぎごちない。なぜなら、だいたいの写真編集機能はLightroomで間に合うからだ。Nimbusは(最終的に名前がどうなっても)、Lightroomの消費者バージョン、という位置づけかもしれない。しかしある部分では、Lightroom の次世代バージョンとして、長期的には古いツールに置き換わる製品、という感もある。
おっと、ややこしい話だが、Adobeにとってこれは、二度目のProject Nimbusなのだ。