AIのパイオニア、Andrew NgのLanding.aiは製造業の改革を目指す――最初のパートナーはFoxconn

人工知能のパイオニア、Andrew NgはGoogle BrainプロジェクトやBaiduのAIグループのリーダーを務めたことなどでよく知られている。Ngはオンライン学習のCourseraの共同ファウンダーであり、そこで教えている機械学習のコースも有名だ。今年初めにBaiduを離れた後、Ngが何をしているのか(もちろんCourseraで多くのコースを教える以外にということだが)はっきりしなかった。

しかし今日(米国時間12/14)、NgはLanding.aiという新しいスタートアップを立ち上げたことを発表した。この会社は人工知能テクノロジーの成果を製造業に導入するのが目的だ。Landing.aiの最初の戦略的パートナーはFoxconnで、Ngによれば、さる7月から共同研究を続けてきたという。

Landing.aiの狙いはAIテクノロジーを従来のIT産業の外に広めることだ。AIと機械学習はすでに数多くの大手インターネット企業のビジネスのやりかたを根本的に変えているのに、IT以外の産業では遅れを取っているとNgは主張する。声明でNgはこう書いている。

 AIを活用したIT産業を作るだけでは十分ではない。AIを活用した社会を作らねばならない。われわれの生活が物理的に必要とする要素、食べ物、ヘルスケア、交通、住居などはAIのおかげて改良され、アクセスも容易になった。人は単調な機械的な仕事の繰り返しから解放された。今や社会のすべての面でAIによる便益が体験されるべきだ。これはIT産業だけではなくすべての産業を巻き込む必要がある。

ではLanding.aiは具体的にどういうものなのか? Ngによれば、同社は各種の「AIによる企業の変容プログラム」を作っているという。これにはAIテクノロジーそのものの導入から従業員の訓練まで多様な要素が含まれる。

Landing.aiの最初のターゲットは製造業だが、Ngはこの分野だけでなく、社会を構成するあらゆる側面にAIを導入するプラットフォームとなることを計画している。

Foxconnに関して、Ngは「(Landing.aiは)AIテクノロジーの開発だけでなく、人材育成、また両社の基本的な特色をさらに強化するためのシステムづくりについても(Foxcon)と協力関係にある」と述べた。

全体としていささか漠然としている。また私にはLanding.aiはなにか新しいテクノロジーを開発する会社というよりある種のコンサルティング会社のように思える。Landing.aiが独自の新しい人工知能テクノロジー、ないしプラットフォームを開発するというより、少なくとも今日の声明から推測されるところでは、既存の人工知能テクノロジーをFoxconnのような巨大企業に効果的に導入することに目的があるようだ。

画像:: Luis Castaneda Inc./Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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