AIソーシャルリスニングの英Brandwatchをが480億円で買収、PR・マーケティングの巨大企業が誕生

メディアモニタリングとメディアコンタクトデータベースサービスで知られるCisionは、デジタルコンシューマーインテリジェンス(DCI)とソーシャルリスニングプラットフォームのBrandwatchを現金と株式合わせて4億5000万ドル(約480億円)で買収すると発表した。Brandwatchの主要幹部チームは留任するという。この動きにより、PRからマーケティング、オンラインカスタマーエンゲージメントまで、幅広いサービスを提供する2つの大手企業が統合されることになる。買収は2021年の第2四半期に完了すると予想されている。

Cisionは、約100万人のジャーナリストやメディアのコンタクトデータベースを持ち、同社によれば7万5000人以上の顧客がいるという。一方のBrandwatchは、「ソーシャルリスニング」として知られるマーケティング手法にAIと機械学習(ML)を応用している。

これまでに、Brandwatchは総額約6500万ドル(約69億円)を調達していた。Nauta CapitalによるシリーズAに続き、Highland Europeが主導したシリーズB、その後Partechが主導したシリーズCによるものだ。

Brandwatchの創業者兼CEOであるGiles Palmer(ジャイルズ・パーマー)氏は声明の中で次のように述べた。「我々は、常に野心を持ちBrandwatchを築いてきました。今こそ次のステップを踏み出す時です。スケールの大きい企業に加わり、世界的に重要なインパクトを与えられるビジネスと製品群を作っていきます」。

CisionのCEOであるAbel Clark(アベル・クラーク)氏は次のように述べている。「継続的なデジタルシフトとソーシャルメディアの普及は、ブランドや組織の顧客との関わり方を急速かつ根本的に変化させています。これによりPR、マーケティング、ソーシャル、カスタマーケアの各チームは、最近利用できるようになってきたユニークな洞察を、コンシューマー主導の戦略に完全に組み込むことが必須となっています。CisionとBrandwatchは共に、クライアントが彼らの顧客をより深く理解し、顧客とつながり、あらゆるチャネルで顧客エンゲージメントをスケールアップできるよう支援していく所存です」。

Brandwatchは、資金調達から買収、合併まで、まるでケーススタディのような道のりを歩んできたが、資金力のあるテック企業からすると珍しいのは、そのほとんどを英国南部の海辺の町、同社地元のブライトンで達成した点だ。

パーマー氏の資金調達の道のりは、2006年に受けたエンジェル投資から始まった。2010年には、Brandwatchはマーケティング・PR会社のDurrantsから150万ドル(約1億6000万円)を調達し、さらに同年、Nauta Capitalが出資してシリーズAラウンドを調達した。2014年にはHighland Europeが主導するシリーズBラウンドで2200万ドル(約23億4000万円)を調達し、その後、2015年にはPartech Venturesが主導するシリーズCで3300万ドル(約35億2000万円)を調達した。

Brandwatchはその軍資金で、2017年にはコンテンツマーケティングとインフルエンサー識別プラットフォームのBuzzSumoを非開示の金額で買収した。そして2019年には、同社は類似の事業であったCrimson Hexagonと合併し、約1億ドル(約106億円)のARR(年間経常収支)を持つ事業を生み出した。また、ロンドンに拠点を置くSaaS型リサーチプラットフォームQriouslyも買収した。

Brandwatchは最近、Forresterのソーシャルリスニングソリューションのバイヤー向けガイドで10社中トップのリーダーに選ばれた

カテゴリー:ネットサービス
タグ:BrandwatchCision買収マーケティング

画像クレジット:Brandwatch

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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