今日(米国時間1/26)、Googleの親会社、Alphabetは、きわめて好調な四半期決算を発表した。アナリストの予測を大きく上回っただけでなく、さらに印象的な要素は、ここしばらく低下を続けていた重要な数値が成長に転じたことだろう。
その数値というのはクリック単価(cost-per-click)だ。クリック単価は広告の価値を測る重要な指標だが、対前期比で1%の上昇をみせた。対前年比では依然として18%のマイナスだが、今期のわずかな上昇はGoogleの広告ビジネスにとって重要な一歩だ。モバイル化と共にオンライン広告市場では競争が激化としているとはいえ、Googleの広告が他のプラットフォームに脅かされれてはおらず、依然として中心的な地位を占めていることを示すものだろう。
クリック単価の低落傾向はここしばらくGoogleが苦しめられてきた問題だった。まず昨年、2016年の第1四半期に、クリック単価が対前年比で減少した。このときは対前期ではプラスマイナスゼロだったが、その後は両者ともマイナスに転じた。Googleはクリック単価の低下を補うために総クリック数の増大を図らざるを得ないことになった。もちろんクリック総数は対前年比で増加を続けており、今期は47%アップしている。
今四半期の好調な決算発表を受けてAlphabetの株価はアップし、Googleの時価総額には数十億ドルが加わった。記事末に決算の主要な数値をまとめておいたが、この午後、株価は1000ドルを超えた。今日のアップ分を加えて、Alphabetの株価は今年29%アップしている。
今回の決算に対するひとつの説明は、 Googleのトラフィック獲得コスト(TAC)に関するものだ。今期、GoogleのTACは広告売上に対して23%を占めた。 これは対前年比でわずかなアップだが、アップには違いない。ウォールストリートはこの点と、さらにAlphabetの他の「賭け」が成功するかどうか注意深く観察しているはずだ。
「その他の賭け」、つまりNestやFiberなどGoogle本体以外の事業についてみると、前期の68億ドルから今期の87億ドルへと売上は増大している。また赤字のコントロールにも成功しているようだ。前年同期の8億6100万ドルから今期は8億1200万ドルへと赤字額もわずかに減少した。
第3四半期決算の主要数値は以下のとおり。
- Q3売上:278億ドル。アナリスト予想は272億ドル
- Q3利益: 1株当り9.57ドル 。アナリスト予想は8.33ドル
- その他事業: 売上87億ドル、損失8億1200万ドル
- 売上TAC比率: 23%
- 有料クリック総数: 対前年比47%アップ
- クリック単価: 対前年比18%ダウン、対前期比1%アップ
画像: Jeff Chiu/AP
〔日本版〕原文では「その他事業」の損失が$861 millionとなっているが、記事本文およびAlphabet発表を参照して$812 millionに訂正。なおAlphabet株価は一時1005ドルをつけたが現在はやや戻して991ドル前後となっている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)