Amazonはオリジナル番組製作に多額の投資をするなどビデオストリーミングで攻勢を強めている。数年前にプライムビデオがスタートしたときはプライム会員向けに思いつきで後から付け加えたサービスのように見えた。今やAmazonのビデオストリーミングは本格的なサービスに成長しただけでなく、ビデオのみ対象に会員になることができるようになった。
今日(米国時間4/18)からプライムの非会員も月額8.99ドルを支払えばAmazonプライムビデオに参加できる。キャンセルはいつでも可能だし、1年分の会費を前払いする必要もない。
Amazonプライムビデオの会員になると、Amazonのビデオ・ライブラリーに自由にアクセスできる。ただしプライム会員の場合とは異なり、配送料が無料になったり音楽が聞けたりする特典はない。
プライム会員のアメリカにおける会費、年額99ドルについては変更はない。プライムビデオが付属するのも同じだ(少なくとも今のところは…)。プライム会費は月払いにすることも可能で、その場合は10.99ドルとなる。プライム会員の特典は会員向け無料配送、プライムビデオ、Prime
Music、Kindle Lending Library〔日本では未実施〕の利用が可能だ。他にも私が忘れているだけの特典があるかもしれない。
Amazonがサブスクリプション・サービスの特定の分野を別個のサービスとして独立させたのはこれが初めてではない。たとえば2014年の夏にスタートしたKindle Unlimitedは月額9.99ドルの会費で数多くの本が読み放題になる。
しかしAmazonのユーザーでプライムビデオに本当に関心があるのなら、やはりプライム会員になるべきだろう。月額8.99ドルは年額108ドルだが、年額99ドル払えばプライム会員になれる。しかも前述のように特典ははるかに多い。
プライムビデオを独立させたのはNetflixなどと直接に比較できるようにするためだろう。Netflixは月額9.99ドルだ。AmazonはNetflix, Hulu, HBO Nowなどのビデオストリーミングのライバルと比較して「われわれのサービスがいちばん安い」と主張できる。
トランスペアレント 、モーツァルト・イン・ザ・ジャングル などの成功した作品に加えて、AmazonはBBCと喧嘩別れしたTop Gearのオリジナル・メンバーと契約し 、ウディー・アレンの次の作品も配給する。これらはすべてAmazonがプライムビデオ向けオリジナルにどれほど力を入れているかを実証するものだ。今回Amazonがプライムビデオを独立させたのは、将来Amazonプライムからビデオを外す準備かもしれない。ビデオも見たいプライム会員は2種類の会費を支払うことになる可能性もある。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)