Amazonが先週の大発表イベントで新しいKindleを出さなかったことに、がっかりした人は多い。だが心配はいらない。Amazonはハードウェアのルーツを忘れてはなかった。思えば7月のプライムデーは、アメリカでも世界でもKindleが一番売れた日だった。先日Kindleの発表がなかったのは「イベントをAlexaに特化するため」だった。
AmazonはKindle十周年(11月9日)よりひと月ほど早く、ハイエンド機Kindle Oasis の改訂を発表した。この新しいKindleは初めてIP8クラスの防水機能を備え、海岸や風呂で読書を楽しめる(Koboには数世代前からある機能)。Bluetoothを使ってAudibleを直接再生することもできる。
今回の改訂は最初のOasisが出てから一年半後になる。最高級Kindleリーダーである同機種は、比較的狭い範囲の消費者がターゲットになる。単一機能の高級機に相応の値段を払える人たちだ。新Oasisの価格は249ドルから。
同社で最高解像度(300 PPI)のスクリーンはサイズが7インチ。これはAmazonが何代か前に決めたかにみえたEリーダー標準サイズよりも1インチ大きい。巨大なKindle DXなどの大画面もあったが、Amazonや主要ライバルの本命は常に6インチだった。
もちろん大画面の魅力は明白だ。ページあたり30%多くのテキストが表示されるので、ページをめくる回数が減る。マンガのような画像中心の作品を読むのにも有利だ(私はEリーダーの漫画をまだおすすめしないが)。欠点も同じく明らか:場所を取ることだ。
それでもAmazonは、比較的薄いのでズボンのポケットにも入るように作ったと言っている。それはこの手の製品のベンチマークのようになっている ―― もちろん人によって違うが。
画面が広いということは、バッテリーを収納する場所が増えたことを意味する ―― しかしこの会社はまたも裏面にバッテリーが不格好に飛び出すデザインを選択した。バッテリーが一か所に集中しているということは、重量が均一に配分されていないという意味だが、ほとんどの重さを手のひらで支えるようにデザインされている。
画面の明るさはAmazon史上最高だ。LEDが前機種の10個から12個に増えたため、いっそう均質な照明を得られる。ガラスもAmazon最強で、自社製のゴリラガラス相当品だと会社は言っている。いずれも小さいけれども気の利いた最高級Eリーダーにふさわしい工夫がなされている。
物理的ページめくりボタン ―― 正直なところ初代Oasisで一番うれしかったのがこれだった。これも小さなことだが、Barnes & NobleがNookの製造を中止していらい本当に待ち焦がれていたからだ。加速度計も内蔵しているので持ち方に応じて方向が自動的に切り替わる。左利きの読者に朗報だ。これは横位置でも読めるという意味でもあるがおそらくあまりアピールしないだろう。
内蔵BluetoothのおかげでAudibleの再生が可能になった。AmazonはKindleの旧機種にもアクセシビリティ対応として同機能を追加する予定だが、Oasisが先になった。テキストとオーディオのセットで本を買ったユーザーがこの機能を利用できる。
ソフトウェアにもちょっとした工夫が加わった。フォントサイズの段階が増え、どのフォントもボールドにできるようになった。テキストの行端揃えも可能になった。新OasisはAmazon独自ファイル形式のほかに、TXT、PDF、MOBI、およびPRC。これは、私のようにEPUBファイルを大量に使っている者にとってはがっかりだが、Amazonの囲い込みとストアの重要性を考えれは当然ではある。
もうひとつ、例によって拡張メモリーはないが内蔵メモリーが8 GBに倍増した。32 GBモデルもある。メモリーの拡大はAudibleファイル用のローカルストレージが必要なためだろう。充電ポートはまだmicroUSBだが、高速充電で2時間でフルになる。これ約6週間に相当する ―― 以前のOasisより2週間短いが、それでもかなりの読書時間だ。
新Oasisは今日から予約受付中で、ハロウィンに発送される。価格は249ドルからで、LTE対応の32 GBバージョンは100ドル高くなる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )