Amazonからブロックチェーン・アズ・ア・サービス――BaaSのライバルはOracleとIBM

Amazon Web Servicesは先週末、Blockchain Templatesを発表した。このプロダクトはブロックチェーン・アズ・ア・サービスでOracle、IBM.の同種のプロダクトのライバルとなるものだ。Amazonの参入でこれらのテクノロジー大企業がブロックチェーンでライバルに先駆けようといかに熱心に努力しているかが分かる。とはいえ、その顧客企業の多くはブロックチェーン・テクノロジーをどのように利用するのがもっとも効果があるかまだ検討中だ(一方、一部の投資家はやや興ざめめしつつある)。

AWSのバイス・プレジデントでチーフ・エバンジェリストのJeff BarrはBlockchain Templatesの利用法を説明するブログ中で、今のところブロックチェーンにはいろいろ不明確な点があることを認め、1970年代の人気コメディー番組、サタデーナイト・ライブのShimmer床ワックスというコントに触れている。このワックスは植物性油脂でできており、床も磨ければデザートのホイップクリームも作れるという触れ込みだった。

「私が話し合った人々の一部はブロックチェーンは新しい金融システムの基盤を提供し、国際送金のあり方を一変させると考えている。別の人々はブロックチェーンは分散台帳による偽造困難なデータソースをもたらす点が重要だと考えている。このテクノロジーはロジスティクス、サプライチェーン、不動産登記、クラウドファンディング、その他多数の方面に応用が可能だ。どちらの考え方を取るにせよ、数多くの魅力的な可能性が開けるはずだ。AWSでは新しいサービスによって顧客がブロックチェーンをいっそう効果的に利用できるようになるものと期待している」とBarrは書いている。

AWS Blockchain Templatesを利用すればユーザーはEthereumまたHyperledger Fabricネットワークを利用するブロックチェーン・アプリケーションを効率的に開発できる。同種のサービスとしては、半年前にOracle OpenWorldでOracleがHyperledger Fabric向けクラウドサービスを、1年前にIBMがHyperledgerベースのBaaSクラウドサービスを発表している。

BaaSとしては、先週深センで開かれたアナリスト・カンファレンスでHuaweiがHyperledgerベースのBlockchain Serviceを発表している。またBaiduやTencentなどの中国の巨大企業も以前からブロックチェーン・プラットフォームを展開している。

画像:David Ryder/Stringer / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。