Claude Nougatというライターが書いたおもしろい記事によると、U.S. AmazonのKindle Storeには8月16日現在で約340万種の本(とアプリ)があり、1時間に12種ずつ増えている。1時間に12ということは、えーと、5分に一つだ。そしてたぶん、その多くはインディーの本だ。
よーく考えてみよう。
楽観主義の人にとっては何も問題ないが、わずかでも悲観主義の人にとっては、考えさせられる数字だ。Nougatはこう書いている:
それはつまり、新人が一人現れるたびに彼/彼女を呑み込んでしまう本の津波なのだ!”
この津波は、もっとメジャーな本も呑み込む。合衆国の五大大手出版社は、Amazonのドアの前で立ち止まる。これだけたくさんの本から選べるのだから、有名出版社の本のKindle版に14ドル99セントも払うのはもったいない。99セントの、あるいは無料の、いろいろな本を試した方が楽しい。有名出版社の本はプロが念を入れて作っている、という主張はもちろんある。しかしそれも、急速に変わりつつある。
インディーの出版物は今ものすごく人気があり、中にはロボットが書いているものもある。あっという間に10万種の本を書いたロボットもいる。ロボットがいようといまいと、ジャンクの多い世界だから、レビューやランク付けがますます重要だ。そしてランクやレビューに頼るようになると、多くの人びとがせいぜい上位100ぐらいしか検討しない。101番目以降は、忘却の彼方へと消え去る。
インディーの100万長者ですら、楽ではない。ヴァンパイア小説で数百万ドルを稼いだAmanda Hockingも、今では本を無料または安くせざるをえなくなり、ランクはぐっと下降した。Hugh HoweyのDustはAmazonという本の大神殿で800位にいるが、それは実質、340万種のビリにいるのと等しい。
ライターであることは、ますます難しい。インディーのための出版ツールが本の出版を容易にし、Amazonは彼らに道を開いた。でもAmazonの稼ぎでボートを買ったり、生活を支えていくことは、奇跡以外ではありえない。不可能ではないが、でもあなたが大津波に飲み込まれてしまう理由が340万ある(1時間に12ある)。奇跡を起こす秘訣は、このノイズに打ち勝つことだが、それはいつの時代にも、人が何かを書くことの高貴な目標だ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))