Amazonは先週の木曜日に、そのインフルエンサープログラムを、YouTube以外にTwitterやInstagramも含めるように拡大すると発表した。今春の初めにベータ版が開始されたこのプログラムは、当初人気YouTuberを対象にしていた。これはAmazonアフィリエイトのような関係を通じて、自分たちのビデオで宣伝した商品からお金を稼ぐ方法を提供するプログラムだ。
現在一般に見られるインフルエンサーたちの多くは、通常自分たちの投稿――それがYouTubeでも、Instagramでも、Facebookその他でも――の中で定期的に商品の売り込みをしている。
Amazonが提供するプログラムの背後にあるより大きな考えは、Spark(買い物のできるInstagramクローン)のような他の試みと同様に、ソーシャルメディアがセールスを伸ばすというものだ。Amazonもそうした動きに取り組む必要があった。
これまでのところ、このプログラムは、YouTubeインフルエンサーに対して、彼ら自身のカスタマイズ可能なAmazon店舗(そこでファンたちがお勧めの商品を購入することができる)用の、覚えやすい特別URLを提供してきた。店舗そのものは特にユニークなものではない。一番上にロゴがあり、その下に製品のリストが続いたものだ。しかし、アマゾンが提供する amazon.com/shop/username というURLフォーマットのおかげで、ショップに簡単にアクセスすることができる。
インフルエンサープログラム自体は、Amazonアソシエイトプログラムの延長であるため、必ずしもインフルエンサーたちに対して高い手数料率を提供しているわけではない。単にカスタムストアを作成して宣伝するのが簡単になったということだ。
私たちが 8月にレポートしていたように、 Amazonは既に他のソーシャルメディアサービス上にプログラムを展開することを企画していた。それが現実のものになったということだ。
Web Summitカンファレンスでの発表によれば、このプログラムは、TwitterとInstagramのインフルエンサーたちに開放されたということだ。
イベントでは、新しい活動を推進するためにAmazonが昨年雇用したNavid Hadzaadが、このプログラムによる早期の成功例の洞察を語った。
「私はこれまでに、何万人ものフォロワーを抱えているインフルエンサーたちが…やがて私たちが提供する収入だけに基づいて『やあ、仕事を辞めて、これをフルタイムでやることにしたよ』ということができるようになるところを見てきました」と彼は言った。
さらに、YouTubeクリエイターでインフルエンサーのDan Markhamも、Web Summitのパネルにおいて、Amazonインフルエンサーとして観察できたインパクトについて説明した。
たとえば、彼があるビデオの中でFidget Cubeを宣伝したところ、Amazonアフィリエイトのクリック数は66万8777回、注文数は1万6369件となり、売り上げは16万755.98ドルに達した。また別のビデオではYetiマグを宣伝し、13万1967クリックと3万6520.92ドル相当の製品が販売された。Markhamは、これらの売上からおよそ8%のアフィリエイト収入を得たと述べた。
Hadzaadは、自社の収益の観点を離れても、この生きたデータは、インフルエンサー自身が、ユーザーたちがどのプロダクトに反応しているかを知るために役立つと指摘し、またブランドと宣伝交渉を行なう際の材料としても使うことができると述べた。
また、同プログラムの透明性は更なる利点でもあると強調した。現在、多くの人気YouTuberたちは、彼らのビデオにおけるブランドとの関係を明らかにしていないと批判されているが、Amazonのインフルエンサープログラムは、ブランドと直接仕事をすること以外の手段を提供する。
「信頼性を高めることは私たちと私たちのプログラムにとって重要なことです」とHadzaadは語る。「製品を宣伝して収益を上げるために、ブランドと提携する必要はありません。本当にお気に入りの商品を紹介することができるのです」。
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(翻訳:Sako)