今年5月、Amazon.comはTwitterとの連携機能をアナウンスしている。#AmazonCartのハッシュタグを付けてツイートすると、アイテムがAmazon.comのショッピングカートに追加されるというものだった。この度はそれを拡張して、#AmazonWishListというハッシュタグを使ってもAmazon.comとTwitterの連携ができるようになった。名前の通り、ツイートしたプロダクトをAmazon.comの「ほしいものリスト」に追加するものだ。
この機能を使うには、まずamazon.com/socialにてAmazon.comアカウントとTwitterアカウントを連携させておく必要がある。この作業を行なっておけば、商品の購入および「ほしい物リスト」への追加が、ツイートを通じて行えるようになる。
ツイート経由で購入できたり「ほしい物リスト」に追加できるようになったところで、何も便利には思わないという人も多いことだろう。確かにそうかもしれない。しかしTwitter自身が「ツイート内購入」(in-tweet commerce)の実現を行ったこともあり、外部サービスとの連携による小売機能の強化というのは注目に値する。
Twitterは6月に、CardSpringというスタートアップを買収してもいる。これはTiwtterカードを通じた商品オファーやプロモーションの強化に役立てようとするものだ。そして今月にはいくつかの小売サービスと連携して、ツイート内でのBuyボタンの実装をテストしてもいる。
Twitter社のこうした動きにAmazonがどれほど意識を向けているのかはよくわからない。ただ、ライバルとして重視するというような段階でないことは明らかだろう。少なくとも今のところは、Twitterを利用することで商品の購入をしようとする人はごく少数派だといえる。Twitterはニュースやオピニオンを共有するためのツールであるというのが、多くの人の感じているところだ。
そのような状況ではあるが、今回の「ほしい物リスト」とTwitterを連動させようとする試みには面白いところがあるように思う。プロダクトへの興味やおすすめ情報や感想などをTwitterで流すというのは、これまでどおりの、ごく一般的なTwitterの使い方だと思えるからだ。フォローしている人のお気に入り情報などをリツイートする人は多く、また自分自身の備忘録として#AmazonWishListを使う人も増えてくるものと思われる。
ちなみに、Amazon.comの「ほしい物リスト」はホリデーシーズンの定番ツールとも言える存在になっている。昨年のホリデーシーズンには、毎秒7冊の本と5つのおもちゃがリストに追加されたそうだ。
尚、Twitterとの連携強化の他、Amazon.comは「Save a Photo」というサービスもリリースしている。これにより、気になったものをなんでも撮影して「ほしい物リスト」で共有できるようになった。ちなみに「ほしい物リスト」関連ではUniversal Wish Listというアドオン、バーチャルノート、自分の「ほしい物リスト」から購入されたものを表示しないようにする「Don’t Spoil My Surprises」という関連プロダクトを世に出している。
今回の提携機能についてはこちらのページで詳細をご確認いただきたい。
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(翻訳:Maeda, H)