今日(米国時間6/29)、Appleはまったく新しいマップを開発中だと発表して大きな注目を集めた。新マップはゼロからの作り直しになるという。TechCrunchの読者から質問が殺到したので代表的な質問に答えてみる。さらに質問があればTwitterに投稿して欲しい。できるかぎり答えを探ってみる。
マップのどの部分が改良されるのか?
マップ全部だ。Appleはマップをスクラッチで作り直している。今回は外部のパートナーに頼らず、、すべて独自データだ。
見た目として変わるのだろうか?
地表の植生の状態を表示するマーカーが追加される。これは地表が草や樹木で覆われていることをさらに正確に示す。池や駐車場、建物、野球のグラウンド、テニスコート、バスケット・コートなども実際の形状のとおりに示される。これまでマップに表示されていなかった歩行者通路も加えられる。またマップを見て建物の入り口がわかるような新機能も追加される。
つまりビジュアルにもそれとわかる変化があるということか?
新たに追加される詳細情報に関してのみビジュアルの変化がある。今回はマップのビジュアルを根本的に変化させるわけではない〔将来はあり得るだろう〕が、新しいマップを見れば変化に気づくだろう。たとえばこうした例だ。
新マップはiPhonesから送られてくる情報を利用するのか?
そのとおり。iPhoneユーザーの移動情報の一部を匿名化して利用する。「このルートは実際に通行できるか?」を検証したり、交通渋滞に関する情報を得たりする。
私が個人として特定されることはあるのか? つまりAppleは私がこれこれのルートで移動したと知るようになるのか?
これはノーだ。個人の移動情報を完全に保存しているのはその個人が所有しているデバイスだけだ。移動情報がAppleに送信されるときにはそのつど変化するランダムな識別子が割り当てられる。そのようなプライバシー保護措置を取った上でなければデータはAppleに送信されない。しかもAppleが入手するのはランダムに抽出された移動の一部セクションに過ぎず、個人がどこから出発してどこへ移動したかをAppleが知ることはない。情報はマップのアップデートと交通情報の表示のみに用いられる。もともとのデータが誰のデバイスから来たか知ることはない。たとえ外部からの要請があってもユーザーの移動を再現することはAppleにもできない仕組みだ。
移動データ送信からオプトアウトすることは可能か?
可能だ。位置情報サービスをオンにしなければ情報がAppleに送信されることはない。これはマップのプライバシー設定から随時変更できる。 この点は目新しい機能ではなく、以前からずっとそうだった。
新マップはデータ量が多くなり、より多くの電力を消費するようになるのか?
Appleではノーだと言っている。マップが新しくなることによる電力消費の増大は微小であり、全体としての効率の改善で完全にカバーできる程度だという。
一般公開はいつごろか?
サンフランシスコからシリコンバレー周辺のエリアに関しては来週からベータテストが開始される。秋にはカリフォルニア北部に拡大されるようだ。シニア・バイスプレジデントのEddy Cueは新マップ開発チームはグローバルな存在だとして、次のように明言している。
われわれは新しいマップ開発のために専任のチームを結成した。プロジェクトがすたーとしたのは4年前になる。機械学習からマップデザインまで広汎な分野の人材を集めた。このプロジェクトでは全世界で数千人が働いている。ここ、シリコンバレーだけでなく、シアトル、オースティン、ニューヨークなどにも多数のメンバーがいる。ベルリン、パリ、シンガポール、北京、マルメ、ハイでラバードなど他の国、都市でもそうだ。
チームは全世界に広がっている。世界をカバーする新しいマップを作るにはこれは重要なことだ。われわれはユーザーが世界各地でAppleのデバイスをどのように使っているのか知ろうとしている。われわれは出先で役立つマップづくりを目指している。
将来はストリートビュー・モードが導入されるのか?
可能性はある。今のところAppleからストリートビューについての発表はない。しかし自動車から周囲の写真が収集できるようになれば、ストリートビューは完全に可能だ。ただし発表の段階にはないようだ。
各種ビジネスへの影響は?
Appleが利用しているコンピューター・ビジョン・システムは店舗や会社の名前を完璧に読み取る能力を備えている。だから各種ビジネスにも大きな影響があるものと思う。
建物の形状も3D化で改良されるのか?
イェス。Appleではマップ・エディターが3Dビューで建物の高さ、形状できるだけ正確に調整できるツールを使っている。この測定ツールは建物が何階建てか推定するためにも役立つ。これは建物内部のナビを行う場合に有用な機能だ。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)