今週AppleはMac Proの設計を根本的に見直すという異例の発表をした。AppleはTechCrunchのMathew Panzarinoを含むメディアの編集長を何人か秘密に包まれた本拠に招き、この計画について話し合った。新Mac Proは2018年に登場する予定だが、その間、Appleは現行Mac Proのパフォーマンスをアップさせることを約束した。
Appleのフィル・シラーはこのミーティングで「それまでの間、〔現行Mac Proの〕構成をアップデートしてスピードアップし、コストパフォーマンスの改善を図る。新モデルではないし、新デザインでもない。一部のアップデートだ。これは今週出荷予定だ」と述べた。
つまり黒いぴかぴかの円筒形のデザインは変わらないものの、ユーザーは今日からMac ProでIntel Xeonコア、 デュアルAMD FirePro D500 GPU、16GBメモリという構成を選べる(現行は3.7GHz Quad-Core Intel Xeon E5、12GBメモリ)。価格はエントリーモデルが2999ドルから。現行6コア・モデル(3999ドル)は8コア、デュアルD700 GPUモデルにアップデートされる。
Appleがこのように情報公開に踏み切ったのは、Mac Proについてこれというアップデートなしに3年以上待たされたプロ・ユーザーの苛立ちを静めるようとする努力だろう。Appleは新製品ではないと念を押しているが、古いハードウェアに魅力を取り戻す助けになりそうだ。来年の新モデル登場まで待てないプロ・ユーザーのためには朗報だろう。
ただし全体として見ると、たしかに今日以降のMac Pro(基本的には現行Mac Proのまま)は昨日までより優れたパフォーマンスが期待できる。しかしAppleが来年Mac Proのデザインを見直していくつかの重大な制約を取り除いたモデルを発表するのを待てるなら待った方がいいだろう。いや待つべきかもしれない。
過去数年、Mac Proシリーズを事実上放置されていたことについて、一部では長年Appleを支えてきたプロ・ユーザー層にAppleは背を向けていると批判されていた。MacBook Proシリーズも大きなアップデートなしだったが、これは昨年Touch Barを備えた新しいMacBook Proシリーズにアップデートされた。
Appleはデザイン、アート関係のプロ・ユーザー向けにモバイル・デバイスとしてはiPad Proを発表している。Mac Proは抜本的にリニューアルされるものの、製品のシリーズごとの特色は維持されるという。つまり、タッチスクリーンはMac ProやiMacには導入されないということのようだ。
Appleの上級副社長、クレイグ・フェデリギは「Appleのユーザーは前述のミーティングで〔複数のシリーズの製品を〕並行して使うことが多い。そこでわれわれは異なるシリーズの製品の協調動作の改良に集中している。なぜなら、多くのミッションで〔複数製品を並行使用することが〕ベストのソリューションだと考えるからだ」と述べた。フェデリギはまた「ユーザーには安心して複数の製品を買ってもらいたい。いや買うよう勧めている」とジョークを飛ばした。
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)