本日(米国時間10/25)Bloombergは、Appleが需要を満たすために供給元に要求するFace IDの精度を下げたと報じた。Appleはこの記事が「全くの誤り」であるとする声明を発行し、Face IDは顔認識の新たな規範になるだろうと語った。
Appleの声明は以下の通り。
iPhone XとFace IDへのお客様の期待は驚くばかりで、11月3日金曜日に手に取ってもらうことを待ち遠しく思っています。Face IDは簡単で直観的に使える強力かつ信頼性の高い認証システムです。Face IDの品質と精度は変わっていません。今後もiPhoneを他人が偶然Face IDでロック解除する確率は100万分の一です。
AppleがFace IDの精度仕様を下げたというBloombergの主張は全くの誤りで、当社はFace IDが顔認証の新たな規範になると考えています。
Bloombergの記事には、Face IDを実現するTrue Depthカメラアレイに使われている具体的な部品や素材に関する報告が多数書かれている。部品とサプライチェーンのドラマが好きな人にとっては間違いなく興味をそそる話だが、これはある部品サプライヤーが別のサプライヤーについて不満を言っているだけだと感じている人もいる(あるいは別のサプライヤーより歩留まりが高いことを自慢している)。
Appleが声明で特に指摘しているのは記事のこの部分だろう。
使用可能なドットプロジェクターの数を引き上げ生産を加速するために、AppleがFace IDの仕様を一部緩和したことが、経緯を知る別の関係者の話でわかった。その結果主要なボトルネックである完成モジュールのテストに要する時間が短縮された。
新たな仕様がこの技術の能力をどれだけ下げるのかは明らかになっていない。9月の製品発表で幹部らは、侵入者がFace IDを破ってiPhoeをロック解除する確率は百万分の一だと豪語した。たとえ精度を下げたとしてもおそらくTouch IDよりはずっと正確だろう。オーナー以外の人間がTouch IDでロック解除できる確率は5万分の一だ。
おそらく「精度を下げた」という一言がAppleに反論すべきだと感じさせたポイントだろう。Bloombergの記事は、AppleのiPhone Xの生産スケジュールを「非常に強気」と書いていて、私はそのとおりだと理解している。Face IDの精度が「下がる」という具体的指摘については、Appleが明確に否定している。
実際、精度に関して主張しておきながら、製品の発売前に訂正をしなければ、その差異について消費者代弁グループに説明しなければならなくなる。これも反論を促す理由だったに違いない。
Face IDは、Appleが2013年頃以降に買収した様々な技術を元に作られ、iPhone Xで使うために小型化された3Dカメラアレイを使用している。iPhone Xは今週予約受付が始まるが、品薄との報道が数多い中でAppleは、55か国で店頭に在庫する予定であるとあえて発表した。通常Appleは、在庫が手薄になることが予想される場合、10程度の国や地域で発売する。それでもiPhone Xは売り切れるだろう。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )