ハンカチのご用意を ―― ひとつの時代が正式に終わった。iPod classicの生産中止から3年、Appleはついにローエンドの同胞たちにも同じことをする。shuffleとnanoだ。同社は今日(米国時間7/27)2つの象徴的MP3プレーヤーをサイトから引き上げ、これが本当の終わりであることを正式にTechCrunchに伝えた。
これで、あの一世を風靡したiPodの名前を冠したデバイスはiPod touchだけになった。そして、それについてはちょっと嬉しいニュースがある ―― Appleは今日、touchの容量を64GB/199ドル、128GB/299ドルにそれぞれ増量した。これまでは16GBと64GBがおなじ価格で売られていた。
「本日、iPodラインアップをシンプルし、iPod touchの2モデルは価格据え置きで容量を2倍にした。そしてiPod shuffleとiPod nanoの販売を中止する」とApple広報が声明で言った。
過去数年間、AppleはiPhoneが従来のネットワーク無しiPodを置き換えるとかなり明確に言ってきた ―― そしてそうなることを嫌がっていなかった。iPhoneの躍進とApple Musicによる同社のストリーミングの推進によって、音楽を所有する概念は過去のものになりつつある。
nanoが5年間改訂されていなかったという事実は、Appleがアプリの動くデバイスに集中しているという明確な証しだった。iPodにとって最も重要なアプリは、もちろんApple Musicだ。現在のAppleの世界で、これに対応していないデバイスを売ることの意味はほとんどない。
iPod touchが同じ価格で2倍のストレージになることは、つながらないiPodたちへのすてきな別れのメッセージだ。これはまた、Appleにかつての栄光を取り戻させたこの音楽プレーヤーと相棒ソフトウェアのiTunesの役割を、再認識するよい機会でもある。iPodはいかなる意味でも最初のMP3プレーヤーではなかったが、真のブレークスルーテクノロジーだった。
2001年に登場したクリックホイール付きデバイスは、この分野の代名詞にもなった。21世紀初の真に象徴的な消費者向けハードウェアとなり、「ポケットの中に音楽を1000曲」という気が遠くなるような約束を掲げた。スティーブ・ジョブズが5GBの製品を披露したときのことだった。
私自身どちらかというとiPod classic派だったが、Spotify以前の暗黒の日々、携帯電話のストレージが貴重だったころ、shuffleとnanoの小さなサイズは携帯電話と一緒に持ち歩くのに便利だった。
shuufleの登場は2005年前半で、その年の後半にはnanoが短命のminiに取って代わった。どちらもiPodエコシステムの中で独自の役割を果たした。shuffleは入門レベルのiPodで、スクリーンがないために音楽再生にロシアンルーレット的要素を取り入れた。
そのコンパクトなサイズ、そしてclassicと異なりハードディスクがないためランニング中に音が飛ぶ心配がないことから、フィットネスおたくもターゲットになった。nanoはNike+iPodフィットネストラッキングシステムによってこの分野を開拓した最初のデバイスになった。
ともあれ10年と少しという長さ決して悪くない。そして以前のclassicと同じく、これらの製品がeBayオークションを通じてこの先何世代も生き続けることは間違いない。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )