Apple、Q1売上高見通しを下方修正ーー中国との貿易摩擦に言及

AppleのCEO、Tim Cookは今日、同社の第1四半期決算のガイダンス(利益予想)を修正する手紙を発表した。手紙では、売上高を当初予想の890億ドル〜930億ドルから840億ドルに引き下げている。この下方修正のいくつかの要因も強調しているが、おそらくもっとも響いているのが新興マーケットでの伸び悩みだ。

「主要な新興マーケットでいくらか困難に直面するだろうと予想していたものの、大きな経済減速、特に中華圏でのこれほどの減速は予見していなかった」とCookは手紙で述べている。「事実、ガイダンスの数字に届かなかった分のほとんど、そしてワールドワイドでの前年同期比売上の減少の100%超は、中華圏でのiPhone、Mac、iPad販売によるものだ」。

Appleは、将来の成長のために中国のようなマーケットにかなり投資してきた。そして一連の要因により不本意な結果となっている。要因の中でも、経済の減速と中国・米国間の摩擦は、多くの人が貿易戦争につながると考えている関税によって引き起こされた。3月、Cookはプレスに対し、米国・中国間の問題を直接トランプ大統領との対話の中で取り上げた、と述べた。しかしながら、Appleにとって問題となっている新興マーケットでは中国だけではないー同社はインドでも苦戦している。

しかし、それはここではパズルの1ピースにすぎない。Cookが手紙で述べているように、予想していたよりiPhoneのアップグレード買い替えが少なかった。ただ、iPhone以外のカテゴリー(Mac、Apple Watch、iPadを含む)では19%成長した、とも記している。しかし、iPhoneが長らくAppleの成長を牽引してきたことを考えると、iPhoneへの向かい風はAppleの決算に相当の影響を及ぼしうる。

2018年はスマホ販売台数に大きなブレーキがかかった。2月、Gartnerはスマホ販売台数の統計を取り始めて以来、初めて前年割れを記録した。好調を維持してきたiPhoneですら、その大きな流れから逃れられなかった。価格は上昇していて、スマホの質は向上し、新機能だけでは消費者のアップグレードサイクルを短くすることはできなかった。産業全体が、次の大きな家庭用電化製品のトレンドを決めるのに格闘している。停滞しているウェアラブル業界の中でAppleは珍しく輝かしい存在であったが、Watchだけでは全体を押し上げることはできない。

「売上の下方修正という点では中国が大きな理由だったかもしれないが、現実にはほとんど全てのスマホ市場で買い替えサイクルの長期化がみられ、これは新たな常態となると考えるべきだ」とCreative StrategiesのBen BajarinはTechCrunchに対し語る。「消費者がいまのスマホに満足していて、また最新モデルに搭載されるプレミアムな機能にも興味がないため、たとえiPhoneの価格が上がっていなかったとしても、iPhoneの販売台数は低調だっただろう」。

手紙からは、いつになくCookの陰気な調子が見て取れる。Cookはまた、サプライチェーンの制約や、製品リリースサイクルのシフト、強い米ドルなどを非難している。

しかしCookははっきりと、Appleがこれまでもタフな時代を経験している、と述べている。「大変な四半期だが、ビジネスの基盤の強さという点ではこれまで同様に自信を持っている。我々はAppleを長期的に経営していて、Appleはこれまで常に逆境を、我々のアプローチを検証したりフレキシビリティ、適応性、創造性という我々のカルチャーをいかしたり、より良い結果を引き出すのに活用してきた」。

アナリストのPatrick Moorheadは、停滞は意外なものでもなければ、投資家がパニックになるものでもない、と指摘する。「Appleはサービスや“他の”カテゴリーを成長させている。ただ、全体の売上の成長につながるほど十分ではない」とTechCrunchに対し述べた。「私はAppleのことを心配してはいない。しかし、投資家はおそらく売上2桁成長への道が見えてくるまでは、以前のような価値をAppleに見出さないだろう」。

イメージクレジット: BERND THISSEN/AFP

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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