Touch Bar は遊ぶところではない。Appleのインターフェース・ガイドラインは、新しいMacBook Proの情報が今週リークされて以来開発者たちが考え始めていたであろう楽しい使い方に、しっかりとくぎを刺した。Apple警察の厳しい目をかいくぐって創造性を発揮するアプリが出てくることは間違いないだろうが、Appleは明確に推奨していない。
Appleのガイドラインが、開発者にTouch Barインターフェースの作り方を教えている部分から、いくつか項目を拾ってみた:
- Touch Barは、ディスプレイとしてではなくキーボードおよびトラックパッドの延長として使用する。
- Touch Barには、アラート、メッセージ、スクロールコンテンツ、静的コンテンツ、その他ユーザーの注意を引いたりメイン画面での作業から注意をそらすようなものを表示すべきではない。
- アニメーションは避けること。Touch Barはキーボードの延長と考えられており、人はキーボード上にアニメーションがあることを予期していない。
- カラーは上品かつ最少限に使用すること。一般に、Touch Barの見た目は物理キーボードに似ていることが望ましい。
- 一般に、Touch Barには検索、すべて選択、選択解除、コピー、切り取り、貼り付け、アンドゥ、リドゥー、新規、保存、閉じる、プリント、終了等の作業を行うためのコントロールを置くべきではない。
さて、上に書かれていることは、たしかに目障りだったり、ヘタに作られる可能性がある。そしてAppleが、開発者にもユーザーにもTouch Barは〈キーボード〉の拡張であり〈スクリーン〉ではないと考えてほしいことは明らかだ。しかし、使い方をこういう形で規定するのはよい考えではない。実際には、どちらもあり、どちらの使い方もあってしかるべきだ。
ここに株のティッカーを表示したくない人がいるだろうか。Twitterのフィードや、ダウンロードやファイル操作プログレスバーも。そこには探究すべき可能性がいくらでもあり、モノクロのキー形状で静止したものに限定するのはもったいない。
ちなみに私は、最初のTouch Barゲームがどんなものか、RainmeterやMenuMetersのようにマシン状態をひと目で見渡せる使い方はできないかと等と考えていた。
面白くはしないとのは良いとしても、なぜコピー、貼り付け、保存等がダメなのか?たしかにショートカットキーと重複するけれども、今日のステージで見せた中にもそれは山ほどあった。
物ごとを標準化してユーザーにわかりやすくするのは良い考えであり、こういう新機能については特にそうだが、これは標準化よりも抑圧的だ。これまでも新しいユーザーインターフェースで実験を重ねることによって、数多くの楽しいアプリや直感的で面白い操作方法が生まれてきた。Appleはこのインターフェースがどう使われるべきか、既に知っているふりをしているが、実際には全くのオープンフィールドだ。
上記のポリシーが意味をもつかどうかは、Appleがこのデザインガイドラインをどこまで強制するかにかかっている。Touch Barに表示されるべきものに関するAppleの限られたビジョンを推奨するだけで満足するのか、そこから外れるアプリを積極的に取り締るのか? すぐにわかるだろう。しかし、このクールな新機能がそのポテンシャルを発揮できないところは、見るに忍びない。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook)