AppleがApp Store規約で小さな譲歩、レビュー中でも脆弱性のバグ修正が可能に

Apple(アップル)のApp Storeの規約にここ数カ月強い注目が集まっている。規約においてApp Storeビジネスの核心をなす部分を絶対に守り抜こうとしてあらゆる努力を払うはずだが、アップルは規約に小さな変更を加えた。これによってユーザーがデベロッパーとアップルの死闘に巻き込まれることが少しでも防げるかもしれない。

アップルは米国時間8月31日、App Store に「アプリ審査のガイドラインをアップデートした」という短い告知(Appleリリース)を掲載した。これによりデベロッパーはアップデート自体が審査の途中であってもアプリのバグ修正を行うことができるようになった。アップルはアプリ内課金を行うにあたってApp Storeの定める正規の手続きを遵守するようますます強硬に求めているが、今回の変更はデベロッパーとアップルの対立がユーザーに与える影響を最小限に止めようという狙いだろう。

発表された声明は以下の通りとなる。「アプリのガイドライン違反が審査中であっても、法的に問題がある場合を除き、バグ修正は速やかに公開される」。デベロッパーはこのアップデートで新しい機能を付加することはできない。今回のルール変更はあくまでセキュリティとユーザビリティに関するバグの修正に限られる。この変更が行われることは7月に予告されていた(Appleリリース)。

しかしこの変更では App Store の規約には根本的な改変が必要だとする批判者を納得させることはできないだろう。主たる狙いはデベロッパーとの戦いでアップルが悪役だとするイメージを避けることだと考えられる。規約違反を理由にしてデベロッパーと対立している際に、セキュリティ上の脆弱性に関する修正まで拒否すれば、アップルは自分の足を撃つような目に遭うことなる。

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画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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TechCrunch Japan

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