Androidのスマートフォンを使い、しかもApple Musicを利用する人は、やや変わった消費者かもしれない。しかし、ベン図のその小さな重なった部分は、今後もっと大きくなるかもしれない。2021年6月のWWDCでApple(アップル)は、Apple Musicの会員のための無料のアップデートにより、ロスレスオーディオストリーミングと空間オーディオをDolby Atmosのサポートで提供していくことになった。そしてこれからは、Androidユーザーもこれらの機能を利用できる。
2020年にGoogleは、Google Play Musicアプリを閉鎖して(ご冥福を)、ユーザーをYouTube Musicに移行させようとした。しかし長年のAndroidファンは今でもその決定が気に入らず、YouTube Musicに納得していない。オーディオファンは、Apple Musicのアップデートでその気になったかもしれない。ただしAndroidデバイスの中にはまだ、Atmosをサポートしていないものがある。
オーディオのクオリティを上げようとしているストリーミングプラットフォームは、Apple Musicだけではない。AppleがWWDCでオーディオのアップグレードを発表した同じ日に、Amazon Musicも、Atmosによるロスレスストリーミングと空間オーディオのサポートを発表した。Appleと同じくAmazonも、これらの機能強化は会員に無料で提供される。SpotifyもHiFiと呼ばれるロスレスオーディオを計画しているが、こちらはApple MusicやAmazon Musicと違って、無料のアップグレードではなく有料のアドオンだ。YouTube Musicはまだ、比べられる機能がない。
現在、音楽のストリーミングは有料会員が1億5800万いるSpotifyがトップだ。対して、Apple Musicは2019年6月で6000万、Amazon Musicは2020年1月で5500万とされている。その後両社とも最新の数字を発表していないが、YouTube Musicは有料ユーザーが少なくとも2000万はいると思われる。ロスレスのFLACファイルとmp3の圧縮ファイルは、一般消費者向けのヘッドフォンで聴いても違いはわかるが、マスター品質の音を聴きたいという熱心なオーディオファンでもないかぎり、Tidalで十分だ。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Apple Music、Android、音楽ストリーミング
画像クレジット:Apple
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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)