広義のAR市場は大部分が誇張や空騒ぎだが、本質的な部分ではそれは、導光板ディスプレイ(Waveguide Display)がますます薄くなり同時に良質で安価になるという技術開発の動きだ。
導光板のメーカーであるDigiLensは、その高価な部品のコストダウンに励んでいる。同社は最近、Universal Display Corporationのベンチャー部門とSamsung Venturesから、シリーズCで5000万ドル(約55億円)を調達した。また前の発表では、Pokémon GOを作っているNiantic(ナイアンティック)と三菱がこのラウンドで戦略的投資を行っている。同社の調達総額は8500万ドルになった(日本語参考記事)。
カリフォルニア州サニーベールに拠を置く同社は、最近では2017年に2200万ドルを調達し、ほかにFoxconn(フォックスコン)やソニー、パナソニックなども投資している(調達履歴:Crunchbase)
導光板ディスプレイはディスプレイのガラスの側面から画像をロードし、その光をエッチングが反射させて見る人の目の前に完全な像を作り出す。AR画像用に別のハードウェアを必要とする方式は使いづらいから、この導光板方式はARにとって理想的だ。その光学系は画像を曲面ディスプレイに反射させるだけだから大変安い。しかしそれを消費者向けの薄くて高解像度の製品に仕立てようとすると、相当な開発努力を要する。
DigiLensはARグラスのほかに、シースルーディスプレイの市場として自動車市場にも目を向けている。
CEOのChris Pickett氏は声明の中で「弊社の製造工程は、消費者向けの価格設定が可能な導光板だけを作っている」と述べている。
競合企業は、大手テクノロジー企業の中にも、そして他のスタートアップにも、決して少なくない。Magic LeapとMicrosoft(マイクロソフト)は、彼らの最新のARヘッドセットのために独自の導光板ディスプレイを設計している。昨年Apple(アップル)は、コロラド州デンバーで同様の技術に取り組んでいるAkonia Holographicsを買収した。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)