AT&TによるHBOの買収は、単にプレミアムTV番組を提供するのにとどまらない。同社は米国時間7月9日、新しいWarnerMediaのストリーミングサービスをHBO Maxと名付け、来年春にローンチし、購読者に1万時間以上のコンテンツを提供すると明かした。
さらに、大ヒットドラマのFriends(フレンズ)も登場する。この90年代にNBCにより制作されたドラマは、英ドラマのThe Officeとともに、長らく番組の支配権を巡って企業が争ってきた。
HBO MaxがHBOのコンテンツだけを提供するわけではないのは、Friendsの存在からも想像できるだろう。またThe Wall Street Journalの記事によると、この名称はTVブランドのHBOが消費者にとっていかに重要なのかを示している。言い換えれば、たとえその過程でHBOブランドが希釈化されたとしても、彼らはその多くを購入するだろう。HBOでCEOを努めていたRichard Plepler(リチャード・プレプラー)氏が2月に辞任した理由は明らかだ。
この新サービスはAmazonプライムビデオやHulu、Netflixなど、数多くの競合サービスに割って入ることになる。また、Apple(アップル)もApple TV+の開始を予定しており、さらにDisney+も11月にスタートする。The Wall Street Journalによれば、HBO MaxはHBO Go単体の月額14.99ドルよりも少し高くなるという。
AT&TはFriendsの権利の高い購入価格や、Reese Witherspoon(リース・ウィザースプーンさん)やGreg Berlanti(グレッグ・バーランティ)など映画、テレビ業界のトップタレントとの契約など、コンテンツに投資している。今後のCWテレビジョンネットワークの番組もNetflixではなくHBO Maxで放送されるだろうが、これはArrowやThe FlashなどDCのスーパーヒーローの番組を楽しみにしている私のような人にとっては悪いニュースだ。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)