Atlassianが新しいDevOps機能を発表

Atlassian(アトラシアン)は米国時間6月2日、Bitbucket CloudやPipelinesからJiraなどを含むさまざまなサービスに対して、DevOpsを中心に据えた多数のアップデートを発表した。

これはかなりの規模の発表だが、企業が開発手法としてDevOpsを採用する際に、チーム同士がさまざまな役割を横断してコラボレーションしやすくなるようにすることが、全体的なコンセプトだ。

AtlassianのアジャイルならびにDevOpsソリューションの責任者であるTiffany To(ティファニー・トゥ)氏は「私は何年にもわたって、多くのテック企業がアジャイルならびにDevOpsトランスフォーメーションに取り組んでいる様子を見て来ました」と語った。「誰もがDevOpsのメリットを望んでいますが、複数のチームを組み合わせようとすると事態は複雑化します、私たちはそのことを知って、今回のツールを追加したのです。多くのユーザーと話し合う中で、ユーザーがDevOpsで成功するためには、実際には単なるツールセット以上の多くのものが必要だということがわかりました。チームとして機能できるようにする必要があるのです。ということで、今回の機能の多くが、そうした目的に焦点を合わせたものになっているのです」と続ける。

トゥ氏が強調したように、同社は複数のエコシステムパートナーとも協力している。例えば、Jira Software Cloudの自動化機能を拡張した。これによって、GitHub、GitLab、およびJira Software Cloudに統合されている他のコードリポジトリ内での、コミットおよびプルリクエストによっても自動化機能がトリガーできるようになった。「これで、開発者の皆さんがイシューの更新に時間を費やすことを不要にできる、DevOpsへの素晴らしい統合を手に入れることができるのです」とトゥ氏は指摘した。

実際、発表の多くはサードパーティツールとの統合に焦点を当てている。これによってAtlassianは、開発者がどこにいても接触を保てるようになるのだとトゥ氏は語った。例えば、ユーザーが選択したコードエディターがVisial Studio Codeである場合、ユーザーはAtrassianのVS Code拡張機能を試すことができる。こうすることで、Jira Software Cloudからエディターにコードを引き出すようなタスクを実行できるだけでなく、コードレビュー作業や、Bitbucket PipelinesからのからのCI/CDトラッキングも使える。

また、Bitbucket Cloudの「Your Work」(割当作業)ダッシュボードも新しくなり、アサインされたすべてのJiraイシューと、Bitbucket CloudのCode Insightsを表示できるようになった。Code Insightsは、テスト自動化のためのMabl、監視のためのSentry、セキュリティ脆弱性を発見するためのSnykとの統合機能を備えている。これらの統合は公開APIの上に構築されているため、チーム自身が独自の統合を行うこともできる。

「なるべく早めの対応を行おうとする、本当に重要な流れが生まれています。バグやセキュリティの問題を取り除くためのコストは開発サイクルの後半になるほど高くなります。ではどうすればそれらの問題を開発サイクルの早い段階で取り除くことができるのでしょうか」とトゥ氏は言う。「その検出プロセス全体を、ソフトウェアライフサイクルのかなり早い段階で行う必要があるのです」。

Jira Service Desk Cloudには、変更のリスクをスコアリングしてリスクの低いものを自動承認できる、新しいRisk Management Engine(リスク管理エンジン)と、承認プロセスを合理化するための新しい変更管理ビューが組み込まれた。

最後に、アラートを一元化してノイズを除去することを約束する、新しいOpsgenieとBitbucket Cloudの統合、およびチームがインシデントが発生する前に発生した最後のデプロイメントを確認するのに役立つ、優れたインシデント調査ダッシュボードがある。

「こうした細々とした機能が必要な理由は、非常に多くのツールをつなぎ合わせるために、多くの摩擦点が生まれるからです」とトゥ氏は述べている。「仮に1つのベンダーだけから1つのツールチェーンをすべて購入した場合には、これらの摩擦点は少なくなりますが、最良のツール群を選択することはできないという、バランスの問題に突き当たります。私たちの使命は、万能のツールがない中で、最高のツールを選択できるようにすることなのです」。

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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