WordPress.com、WooCommerce、Longreads、Simplenoteなど多くのクールなサービスを公開しているAutomatticが、Prospressという小さなスタートアップを買収する。Prospressは、WooCommerce専用の定期支払いソリューション、WooCommerce Subscriptionsを開発している。
物理的な、あるいはデジタルのサブスクリプションがeコマースの重要な部分を占めていることから、AutomatticがWooCommerce Subscriptionsを自社のものにしたいと考えたことには納得がいく。顧客に対する定期的な課金は、支払いに関して最も面倒なことのひとつだ。
Prospressは、カートの中に商品が入れっぱなしになっていることを顧客に知らせたり、フォローアップしたり、クロスセルを促したりするマーケティングオートメーションツールにも取り組んでいる。さらに同社には、リリース前のチェックアウト機能をテストするツールもある。買収後、Prospressのチームは引き続きこれまでのプロダクトを手がけ、WooCommerceチームに加わる。
これはきわめて戦略的な買収だ。Prospressの従業員は約20人なので、900人いるAutomatticのチームは表面的には変わらないだろう。しかしAutomatticが(eコマースに関する)多くの積み重ねを手に入れられるという意味で、大きな動きだ。
WooCommerceの競合であるShopifyは、すぐに利用できるサブスクリプションを提供していない。BoldやReChargeなどの他社製品を使う必要がある。
WordPressと同様にWooCommerceはオープンソースプロジェクトで、WordPressと直接統合できる。誰でもWooCommerceをダウンロードして自分のサーバーでホストできるということだ。そしてWooCommerceのエコシステムは、ほかのわかりにくいeコマースのソリューションと比べると大きな利点のひとつだ。
WooCommerceのユーザーの多くはおそらくWordPress.com上でeコマースのウェブサイトをホストしているだろう。しかしAutomatticが支払いのモジュールを提供して主導権を持つことになれば、WooCommerceのユーザーが支払いソリューションとしてWooCommerce Subscriptionsを使う場合に、同社はある程度の収益を上げることもできる。
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(翻訳:Kaori Koyama)