フランスのTempowが、400万ドルの資金を調達した。この投資を仕切ったのはBalderton Capital、これにC4 Venturesが参加した。同社は、Bluetoothのプロトコルを改良して、その用途を広げようとしている。
スマートフォンやスピーカー、それにさまざまなコネクテッドデバイスは、それぞれいろんなやり方でBluetoothを利用している。しかしBluetoothのチップセットを作っているのは、QualcommやBroadcomなど、ほんのひとにぎりのメーカー企業だ。Bluetoothのチップはすばらしく効率的になり、電力消費も前よりずっと少なくなったが、ソフトウェアは進歩が停滞している。
ソフトウェア企業であるTempowは、Bluetoothのソフトウェアスタックを完全に書き換えようとしている。同社はまず、オーディオのプロファイルからスタートした。
Tempowの技術を使うと、スマートフォンを複数のBluetoothスピーカーに同時に接続できる。ソフトウェアの改良だけで、それができる。Bluetoothのチップセットやオーディオデバイスは従来のものでよい。
このアイデアを気に入ったLenovoはTempowの技術をライセンスして、Moto X4ハンドセットに使った。その、TempowのBluetoothスタックを使ったデバイスは、500万台以上売れた。
今回得られた資金で同社は、ユースケースを拡大したい、と思っている。そのために必要な低レベル技術が、ペアリングプロセスの最適化、プロトコルのセキュリティの強化、電池寿命のアップなどだ。協同ファウンダーでCEOのVincent Nallatambyは、“そのうち、NFCよりBluetoothを使った方がペイするだろう”、と言っている。
同社は今、複数のメーカー企業に技術を売り込んでいる。今後はもっと多くのデバイスが、TempowのBluetoothソフトウェアを使っているだろう。
同社は今、7つの特許を出願しており、先週最初のひとつが認可された。今後はBluetoothのエキスパートチームを作って、同社のプロトコルをさらに普及させたい、と考えている。