Boschが車載ディスプレイをグラス不要で3D化

ドイツの自動車産業を支える製造業大手のBosch(ボッシュ)が、未来のダッシュボードディスプレイの3D化を、専用グラス(眼鏡)不要、しかもアイトラッキング(目線追跡)不要で実現しようとしている。後者のアイトラッキングはこれまで、グラス不要の3Dディスプレイでは絶対に必要と見なされていた。

しかし、グラス不要でしかも、ユーザーが特定の位置からディスプレイを見ることも不要という2大特性は、車に3Dディスプレイを持ち込むための重要な条件だ。それも当然で、ドライバーはディスプレイではなく道路を見ていなければならないし、ディスプレイ上の重要な情報はどれもさっと見るだけで把握可能でなければならない。運転中のドライバーの関心が、ディスプレイにあってはならないのだ。

だからと言って車の計器盤やインフォテインメントのディスプレイが3Dでなければならない理由はあるだろうか?ボッシュに言わせると、そこには複数の重要な理由がある。まず、重要な警告情報は実際に目の前に「飛び出す」ことによって注意を喚起すべきである。また駐車時には回りのスペースの状況を正確な3D画像で見せることによって安全で素早い駐車ができる。そしてナビなどは、右折左折など方向を変えるべき状況をよりリアルな画像で見せて正しい運転をガイドすべきだ。

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しかし、これらの説がすべて正しいとしても、それは自動運転がある程度実装された車の話ではないか。しかも車載ディスプレイがそこまで没入的になるのは、人間運転者にそれだけの時間的気分的な余裕が必要だ。

ボッシュはそれをあえて今やる理由として、モバイルコンピューティングの高度化を挙げる。これまでの自動車技術のコンピューター化といえば、小さな非力なコンピューターがコントローラーとして各所に散在していた。しかしこれからは1台の強力な中央的コンピューターが集中的に全システムを管理し、それらのアップデートもインターネットから容易かつ迅速にできるようになる。

同社は、そのようなシステムが実際に発売される実車に搭載される日程を明らかにしないが、他社製品との差別化がより重要になる高級車では、早いもの勝ちのような競争状況になるのではないだろうか。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa