ドイツのテクノロジー&パーツサプライヤーであるRobert Bosch GmbH(ロバート・ボッシュGmbH)は、自動車や家電製品、パソコン、電動工具などあらゆる製品の生産に大打撃を与えている半導体不足に対応するため、チップ製造設備の拡張にさらに4億ユーロ(528億円)を投資する。
2022年を目標に、ドイツのドレスデンとロイトリンゲンにあるウェハー製造工場と、マレーシアのペナンにある半導体部品製造工場の拡張を行う。ドレスデン工場は、同社史上最大の投資となる10億ユーロ(1320億円)を投じて6月に開設された。同工場では、より大きなサイズの300ミリウエハーを製造しており、1枚のウエハーに搭載されるチップの数も多い。ロイトリンゲンでは1970年から半導体部品を製造しており、2022年と2023年に約5000万ユーロ(約66億円)の投資が予定されている。ロイトリンゲンでは「クリーンルーム」を4000平方メートル以上拡大し、合計1万4500平方メートルになる見込みだ。クリーンルームはシリコンウエハーが半導体チップになる特別設計のところだ。Boschによると、この拡張で150人の新規雇用を創出する。
ペナンでは、Boschは新しい半導体テストセンターを建設し、2023年に操業を開始する予定だ。このテストセンターの広さは当初約1万4000平方メートルとなる。しかし、同社はペナンに10万平方メートル以上の敷地を持っており、最終的にはそのすべてを開発する予定だ。
今回の巨額の投資は、半導体の供給不足が長期化し、自動車メーカーの経営陣や業界アナリストが2022年まで続くと予測している中でのものだ。Ford Motor Company(フォード・モーター)とGeneral Motors(ゼネラル・モーターズ)の幹部は、今週行われたそれぞれの第3四半期決算説明会で、半導体不足は2022年、場合によっては2023年まで続くとの見通しを示した。
自動車メーカーやその他の企業に製品を供給するだけでなく、電動工具などの製品に自社製のチップを使用しているBoschにとって、これは賢明な動きだ。また、2030年までにEUの半導体生産量を世界の供給量の5分の1に引き上げることで、域内のサプライチェーンの回復力を高めることを目指している欧州連合にとっても朗報となる。
画像クレジット:Bosch
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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi)a