モバイルブラウザーの中では、依然としてSafariが大きくリードを保っていることが、今月のNetMarketShareのデータからわかった。しかし、重要な動きはAndroidの世界で起きている。Chromeは順調にシェアを伸ばし、Androidの組み込みブラウザーは遅れを取っている。Androidは、5月のモバイルOSシェアではわずかに減少して過去8ヵ月間の最低を記録した。
Androidの内蔵ブラウザーは4~5月にかけて2ポイント伸ばしたのに対し、Chromeモバイルの伸びは1ポイント以下だった。Googleはモバイル版Chromeを推進しており、昨年秋からAndroidデバイスにプレインストールしている。その結果順調な伸びを見せ、昨年7月に0.34%だったシェアを今年5月には3.22%まで伸ばした。しかしAndroid内蔵ブラウザーのシェアはその11ヵ月間横ばいであり、Chromeのシェア拡大はすべて新規デバイスによるものであり、ユーザーがブラウザーを乗り替えたのではない。
OSシェアでは、Androidが前月よりわずかに落としており、過去長期にわたる測定期間で最低となった。AppleのiOSはわずかに上昇したがほぼ横ばい、Symbian、Java MEおよびBlackBerryの伸びもわずかであり、これはAndroidの2ポイント近い減少が、どのプラットフォームの勝利にも結びついていないことを意味している。しかしAndroidが、Galaxy S4とHTC Oneという2大フラグシップ機が発売された月に、こうした数値の落ち込みがあったことは興味深い。
しかし、全体で見るとChromeのモバイルでの伸びが最も注目すべき話題だ。Googleはクロスプラットフォームの互換性とポータビリティーを強く押しており、最近Chromeに見られる動きの多くが、モバイルとデスクトップをつなぐように考えられている。その目標を達成するためには、モバイルChromeがさらに高く離陸する必要があり、昨年出てきたばかりであることを踏まえると苦しい戦いである。しかし、機運は高まっている様子であり、Googleの長期目標にとっては良い兆しだ。
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(翻訳:Nob Takahashi)