ビッグデータ分析のトップ企業Clouderaは、IPOで15ドルをつけ、その日の終値はそれから20%強増の18ドル9セントになった。これもClouderaの予測12〜14ドルを上回っている。
株価の上昇は新たな投資家にとって良くても、その結果は一部の社員にとっては大きな幻滅だ。彼らが同社の最後のプライベートラウンドの後でチームに参加した場合は、報酬株式の価額が下がったことになるからだ。Clouderaの時価総額は今約23億ドルだが、Intelが2014年に与えた41億ドルの評価額より相当少ない。この、最近ますます一般的になってきた現象は、“ダウンラウンドIPO”とあだ名されている〔IPOで評価額が下がること〕。
しかしCEOのTom Rileyは本誌TechCrunchのインタビューで、“今後の確実な成長が見込めるからそれは問題ではない”、と力説した。株式市場におけるパフォーマンスは良いから、いずれ40億ドル+には達するだろう。2015年に上場したSquareは、上場前の市場評価額の半分でスタートし、その後株価は倍増した。
同社は2008年以来10億ドルあまりを調達している。Intelが最大の株主で、IPOの前には同社の22%を所有していた。Accelが16.3%、そしてGreylock Partnersが12.5%を握っていた。
Clouderaは、銀行や通信企業など、幅広い業種部門に顧客を抱えている。同社は、テロ対策のためのインテリジェンスサービスも提供している。
“弊社の顧客は、それまでアクセスできなかった新しいデータを活用して、彼らの顧客に関するより良いインサイトを得ている”、とRileyは語る。
Clouderaの売上は伸びていて、1月に終わった会計年度の売上2億6100万ドルは、前年度の1億6600万ドルを大きく上回った。
損失は1億8632万ドルで、前年度の2億300万ドルから減少した。しかしIPO申請書のリスク要素の節には、“今後もしばらくは継続的に純損失を負うことが予測される”、とある。
今後は競合がClouderaにとって大きな障害物になると思われるが、Releyは“うちは大企業専門だから大丈夫”、と言う。しかし同社のS-1申請書には、競合他社の長いリストがあり、そこにはHP, IBM, Oracle, Amazon Web Services, Hortonworksなどの名が挙げられている。
IntelとClouderaは協働して、データ処理のスピードとセキュリティの改善に努めている。両社が共同で“パフォーマンス向上のためのソフトウェアとハードウェアを設計している”、とRileyは語る。IntelはClouderaの上場に際してその株式を買い増しした。
Morgan StanleyとJP Morgan、そしてAllen & CompanyがIPOの引受銀行だった。同社は“CLDR”の チッカーでニューヨーク証券取引所に上場した。
先月はSnapが2017年のテクノロジー企業のIPOの口火を切り、市場を覚醒させた。そしてその後は、MuleSoft, Alteryx, Yext, Okta, Netshoes, Carvanaと公開市場へのデビューが続いた。