CoffeeMeetingの次の一手は空き時間の売買サービス「TimeTicket」

空き時間にお茶したい人を探すサービス「CoffeeMeeting」を運営する株式会社レレレが先ほど、個人の空き時間を売買する「TimeTicket」を開始した。サイト上では「Webサービスのこと何でも相談にのります」や「英日翻訳とか手伝えます」といった専門スキルありきのものから、「とにかく話を聞きます」「友だちのフリをします」「皇居をぐるりと一緒に一周歩きます」のような商品っぽくないものまでが販売されている。個人の空き時間を生かす点ではCoffeeMeetingと同じだが、TimeTicketはマネタイズを意識したサービスと言えそうだ。

空き時間を30分単位で売買する

サービスの流れはこんな感じだ。空き時間を売りたいユーザー(ホスト)はまず、「自分ができること」を登録。その後、シェアする時間(0.5〜5時間)と1時間あたりの価格(1000〜1万円)を設定する。空き時間は「チケット」としてサイト上に登録され、売り上げの一部(10%〜100%)は指定した寄付先に寄付できる。売上げの30%は手数料としてレレレに支払い、そこから寄付金を引いた金額が収入となる。

チケットに興味を持ったユーザー(ゲスト)は、予約日時と金額を指定して購入を申し込む。「この人にはもっと価値がある」と思えば、支払う金額を増やすこともできる。ホストに申し込みが承認された場合、ゲストはクレジットカードで仮支払を行い、予約した日時にオンライン・オフラインで会う。ホストは「ちょっとこのゲスト怪しい」と思った場合、承認をしなければ会わなくてもよいことになっている。

金銭のトラブルを防ぐために、ホストとゲストには直接チケット代金をやり取りさせないようにしている。ホストは事前に仮支払を行ったゲストだけに会えるし、ゲストとしてもホストの都合で予約当日に時間の提供を受けられなかった場合の支払いはキャンセルされる仕組みだ。

実用的なスキルよりも「個人のなんでもない時間」を販売

空き時間を生かして専門的なスキルを売買するサービスとしては、仕事のジャンルが多いクラウドワークスやランサーズをはじめ、最近では請求や経理、家事など特定のジャンルに特化するサービスが増えている。これに対してTimeTicketは、実用的なスキルというよりは「個人のなんでもない時間」が商品になっている印象だ。

レレレが運営する「CoffeeMeeting」は会員数が3万人を突破し、これまでに約1200件のミーティングが成立。それなりに利用数は伸びているようだが、山本氏によれば「無料サービスだからこそ成り立っている部分があってマネタイズが難しかった」という。これらが実際にどれだけ売れるのかはわからないが、サービスを運営するレレレ代表取締役の山本大策氏は、「これまで世の中になかった新しいサービスが生まれ、それだけで食べていける人が出てくるのが理想」と話している。


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TechCrunch Japan

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