Crowdsourceという名の新しいアプリがグーグルプレイにひっそり登場した。ユーザーはこのアプリを使って、グーグルのサービスの質を向上させるためのちょっとした仕事をするが、それは地図や翻訳、画像中の文字を起こす作業などだ。驚いたことには、このアプリにはユーザーの仕事に対するちょっとした報酬・対価といったものが全くない。しかしながらこのことは、このアプリが、例えばアマゾンのMechanical Turkなどの、仕事をクラウドソーシングする為の既存のプラットフォームの脅威とはならないことを意味する。
また、このアプリの主眼はグーグルが自社のサービスを向上することにあり、Mechanical Turkのように第三者からの依頼に応える訳ではない。
この新しいアプリを最初に見つけたのはAndroid Policeというブログだ。グーグルはTechCrunchの質問に答え、これがテスト用プロジェクトで今朝公開になったものだということを確認した。
Crowdsourceはユーザーが翻訳のリクエストに取り組む前に、どの言語が流暢かを聞いてくる。それ以外にも、アプリではいくつもの大きなボタンがフィーチャーされ、それを選ぶことでどういった作業をしたいか選ぶことができる。それらは、画像から文字を起こしたり、手書き文字を認識したり、翻訳作業やすでに翻訳された文章をチェックしたり、地図の翻訳のチェックをしたりといった、ちょっとした作業だ。
グーグルが実際にアプリを使って貢献してくれるユーザーに対して、その背中を押してくれるようなオファーのないアプリをローンチするというのはいささか奇妙な感じがする。結局のところ、同社はこの様なサービスモデルに関してはGoogle Opinion Awardsを通じて熟知しており、Google Opinion Awardsではアンケートに答えるとグーグルプレイのクレジットを貰うことができた。
しかしながら、グーグルによると、人々がCrowdsourceを使ってこのプロジェクトに貢献するのは、そのことでインターネットが自分たちのコミュニティーにとってより良い場所になったと実感できるからだ、という(それはどうだろうねえ、グーグルさん、インターネットに会ったことある?ワンちゃんが日向ぼっこしているような場所ばかりじゃないんだよ)。
なぜ人々はこのような、無報酬のアプリを使うのかという質問に対して、グーグルのスポークスマンは以下の様に答えた。「このアプリを使う人の中には、まだ多くの言語でTranslateやImage Recognitionなどのツールがうまく機能していないことが動機になっている人もいるでしょうね」
Android Policeによるとユーザーが画像から翻訳するタスクのほとんどは道路標識で、手書き文字のサンプルはニワトリが爪で引っ掻いたような読みにくい文字だ。確かに、楽しそうだね。。
もちろんグーグルはこれまでも多くのプロジェクトでクラウドソーシングを行った。かつて、例えば2006年には、グーグルはGoogle Image Labelerというゲームをローンチし、ユーザーは画像のタグ付けを行った。実際の所、そのプロジェクトはcrowdscource.google.comで今でも存在する。
同社によるとこのアプリは最終形ではなく、現在インセンティブの導入も考えているらしい。
Crowdsourceはグーグルプレイで無料でダウンロードできる。iOS版はない(多分グーグルの方がよく知っているからだろう)。
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(翻訳:Tsubouchi)