Cytera CellWorksは細胞培養を自動化してあなたの食卓に細胞から育てた肉を届けたい

Cytera CellWorksは、細胞培養の自動化によって、いわゆる“クリーンミート”産業を革命したいと願っている。そしてそれは、すべてが計画通りに行ったら、同社の製品がアメリカのすべての食料品店で買えるようになることを意味している。

でも、その日はまだまだ遠い。2017年にイギリスの二人の大学生Ignacio WillatsとAli Afsharが創ったCyteraは、ロボットを使用するオートメーションで細胞培養を構成し、 ペトリ皿でターキーの肉を育てたり、幹細胞を検査したりするようなときの培養過程を本格的な生産工程に乗せるつもりだ。

二人のファウンダー、イベントやスタートアップをやってきたWillatsと科学者のAfsharは、従来とは違うやり方でラボの構成を改良しようとしている。たとえば、GoProのカメラを全員が着用する、とか。二人はロンドンのインペリアル・カレッジで、ラボ(〜研究室)の自動化のためのイベントをやるつもりだったが、そこから友情が育ち、会社を作ることになった。

Afsharはこう言う: “当時、ラボの自動化はやや次善のアイデアだった。本当は、もっと強烈なインパクトのあるものを、やりたかったんだ”。

細胞レベルの農業(“細胞農業”)は、動物の細胞をラボで育てる技術で、すでにY Combinatorのこの夏のクラスに二社が入学している。つまりそれは、スタートアップの本格的な起業テーマになりつつある。もはや、人が眉に唾を塗るきわものではない。

ラボ製の食肉産業は、急激に拡大してきた。それは動物の細胞の生検を取って、それらをラボで育て、生きてて呼吸をしている動物ではないものから、肉を作ろうとする。過去2年間で、Memphis Meatsのようなスタートアップが雨後の筍し、ラボミートをレストランに提供してきた。完全植物性のマヨネーズで名を上げたHampton Creek(今はJust)でさえ、今はラボ育ちのフォアグラを作っている。

最初Cyteraは、ラボの一般的な自動化に関心があったが、世間の関心と今後の事業化の可能性から細胞培養の自動化に集中するようになり、名前も今のCyteraに変えた。すでに、著名な遺伝子治療企業など、将来性ありそうな見込み客も数社ある(まだ名前は公表できない)。

ラボの自動化は新しいテーマではなく、すでにいろんな業界が取り組んでいる。たとえば大手製薬企業は、投資額数十億ドルという大規模な機械化と電算化により、新薬発見過程を大規模に自動化している。そんな大企業が将来、食肉企業と組んで大規模なラボ製食肉生産を始めるかもしれない。現在まだそんな動きはないが、WillatsとAfshaは、大企業は小さなスタートアップと組んだ方が仕事が早いだろう、と見ている。

小にも大にも、それなりのトレードオフはあるが、でもCyteraが成功したら、そのころのあなたは、Cyteraのラボで作られた細胞を買った企業が培養した、鶏の胸肉を食べているかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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