Delicious、「ソーシャル」強化を狙ってTwitterおよびFacebookログイン機能を実装

最近、とんとDeliciousについての話題を耳にしなくなっていた。ソーシャルブックマークのためのサービスで、2005年にYahooにより買収され、そして2011年にAVOSに売却されていた。当時、AVOSはDeliciousを再度ベータ版に戻して、新たな視点からのサービス提供を試み始めていた。しかし多くの利用者を集めるには至らず、また面白そうな機能が追加されるようなこともなかった。

そのような中、しばらくの間の無更新状態から復帰して、Deliciousのブログに新しい記事が登場した。すなわちDeliciousに新しい機能を追加したというものだ。TwitterやFacebookというソーシャルネットワークに移り、ソーシャルブックマークという概念を忘れ去ってしまったような人を意識した機能追加となっている。

ソーシャル界の巨頭を意識したアップデートとはすなわち、TwitterないしFacebookアカウントによるログインを可能にしたというものだ。これにより、Facebookで共有したリンクおよびTwitter上でシェアおよびお気に入りに登録したものが自動的にDeliciousに登録されるようにもなっている。Deliciousは、こうした形でのリンク共有サービスの提供を考えて、2011年11月にTrunk.lyを買収してもいた。そしてTwitterについては昨年3月、そしてFacebookについても昨年6月から、リンク情報の共有自体は提供を開始していた。

TwitterやFacebookの情報を利用してサインインできるということに新しさは全くない。しかしDeliciousに「ソーシャル」機能を持たせることになったとは言えよう。さらに「ソーシャル」を意識したものとして「Friend Finder」機能も搭載されるようになった。名前の通り、TwitterやFacebook上の知り合いをDelicious上で発見するためのツールだ。

また、パフォーマンス面等での改善も行なっている。ブックマークレットやサイト自体の読み込み速度も若干向上したようだ。さらに、以前から要望のあった「first saver」情報も提供されるようになった。これはDeliciousで最初に情報を共有した人を記録しておくものだ。

今回のアップデートがDeliciousを救うことになるのかどうかはわからない。ソーシャルネットワーク上にリンクを保存するということ自体が、もの珍しかった時代はとうの昔に過ぎ去ってしまった。しかしDiggも、まだまだ活躍の場を探って話題にのぼっている。懐かしのdel.icio.usにも新しい活躍の場があるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)


投稿者:

TechCrunch Japan

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