DeNAは4月19日、神奈川県タクシー協会と共同でAI活用のタクシー配車アプリ「タクベル」の提供を横浜・川崎エリアにて開始した。
今後対象エリアを順次拡大する予定で、まずは今夏から神奈川県全域で展開を始める。タクベルは神奈川県タクシー協会の推奨アプリに採択。神奈川県内の約半数のタクシー事業者の導入が決定しているという。
タクベルは全車両でネット決済に対応したタクシー配車アプリ。予想到着時間を確認した上で配車依頼ができるほか、周辺を走る空車タクシーの情報をリアルタイムに把握したい際にも活用できる。乗務員とのメッセージ機能や、双方が現在地を確認できる機能も搭載。事前のカード決済にも対応し、スムーズな乗車体験を提供する。
事業者横断で配車依頼ができ、特定のタクシー会社を指定することも可能だ。
タクベルにはAIを活用した需要予測システムも導入する予定。このシステムでは走行位置や車速など「運行中のタクシー車両から収集するデータ」と、気象や公共交通機関の運行状況、イベントなど「タクシー需要に関連する各種データ」を解析。乗務員へリアルタイムかつ個別に走行ルートを推薦する。
以前TechCrunchでも紹介したように、2017年9月から10月まで横浜市の一部地域にて実証実験を実施。単に需要を予測するだけでなく、周囲の空車車両の状況なども加味した上で流し営業での走行ルートを提案するなど、実験の結果を踏まえた機能改善を行っていくという。
今後はこの「流し走行ルートの車両個別推薦」の実用実験を2018年に実施する予定。2019年には新人乗務員でもすぐに平均以上の収益があげられる状況の実現を目標に掲げる。機能面では駅からの乗車が中心となるエリアへの需要予測システム、供給最適化機能の追加を予定。
DeNAでは「『タクベル』は、2018年秋以降の全国展開を目指し、2020年には配車回数国内ナンバーワンを目指します。また、タクシー会社との連携を強化し、労働力不足などのタクシー会社が抱える課題の解決に貢献していきます」としている。
2018年は国内でもタクシー×テクノロジー領域のニュースが多い。AIを活用した需要予測についても、3月に「全国タクシー」を提供するJapanTaxiがトヨタ、KDDI、アクセンチュアと共同でシステムの開発、都内での試験導入を開始した。またソニーもタクシー会社6社とタッグを組み、配車サービスを展開する新会社を2018年春に設立する方針を発表。需要予測などにAI技術を活用するとしている。