どうもメールというものが使いにくい。日々、60通から70通のメールを受け取るが、読む必要がありそうなメールは全体の1%程度だ。今やメールを使うことはすなわち散乱するゴミをかき分けることと同意になってしまったようだ。そういう状況にひとつの解決策を示すのがDextrだ。受信箱に届くメールを予め指定しておいた友人や家族からのもののみにフィルタリングするアプリケーションだ。
対応しているのはAndroidで、言ってみればGmailの優先トレイのような機能を持つものだ。但しこちらのDextrの方はスタンドアロンのアプリケーションとなっている。ダウンロードしてメールアカウントの設定を行うと、画面にコンタクトリストが表示される。ここで友だちや家族、仕事関係の人など、要するにメールを受け取りたい人にチェックをいれておくわけだ。Dextrは、ここで設定した人からのメールのみを表示するようになる。
アプリケーションの性質から見てGmailの代替として使うものではないし、使うべきでもないと思う。しかし受信箱に個人的な繋がりを持つ人からのメールしか表示されないという体験はなかなか衝撃的で面白い。受信箱がゴミだらけになるというのは本当に不快なことだ。本当に読みたいメールだけが入っている受信箱というのはとても気持ちのよいものだ。情報がなんでもかんでもメールでやり取りされるようになるまで、確かにメールというのはこうした存在であったはずなのだ。
知り合いのメールだけを表示するという特徴を備えたおかげで、Dextrはメールクライアントというよりも、メッセンジャーのような感じで動作することとなる。Dextrを立ち上げると、対応が必要なメールばかりが目に入ってくるのだ。大事な用事をDextrのおかげで思い出すことにもなる。多くの人がそうした感情をもち、そのせいでDextrは利用者を集めているのだ。但し、実際のところは友だちとの連絡にはTwitterやFacebookなどを使うことが多く、メールでやり取りをすることは少なくなっている。Dextrのインタフェースはなるほど非常によくできているのではあるが、それでもメールはメールで、実のところそれほど使わないかもしれないという感じもする。
Dextr自体にも、少々使いづらいところがある。たとえば添付書類を送ることができない(受信したファイルについてはダウンロードすることはできる)し、メールのスレッド化にも失敗するところがある。しかしそれでもなかなか面白いアプリケーションだとは思う。少なくとも関心を持っている人からのメールのみに集中するという目的に関しては完璧に動作する。
その面だけで使う価値はあると思うのだ。少なくとも知り合いからの大事なメールをスパムと混同することはなくなる。Dextrは$0.99でこちらからダウンロードすることができる。
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(翻訳:Maeda, H)