ロンドンにあるCopper Box Arenaでの夜は長かった。このアリーナは、数年前に開催されたロンドンオリンピックではハンドボールの試合が行なわれた場所だ。しかし、今週末にこの場所で開催された試合は、それとはまったく種類が異なるものだった。Disrupt Londonのハッカソンだ。
私たちのハッカソンに初めて参加する者もいれば、毎年のように参加しているハッカーたちもいる。彼らに与えられた課題は、素晴らしくて面白く、それでいてスマートなハックを24時間以内に完成させることだ。
本ハッカソンに参加した63チームが1分間のデモを他のハッカーと審査員に発表する場面では、そこにいた皆が興奮を覚えたことだろう。だが、このハッカソンで優勝して4000ポンドの賞金を勝ち取ることができるのは、その中でたったの1チームのみだ。前置きはこれくらいにして、Disrupt London 2016のハッカソンで受賞を果たしたチームを早速紹介しよう。
優勝:The Emotional Journal
日記をつけるという行為は、毎日欠かさずに行えばストレスの解消に効果があり、自分の目標の達成に役立つことが証明されている。しかし、ほとんどの人にとって、書くことは話すことよりも難しい。そこでこのチームは、IBM Watsonを利用してスマートなボイス日記を創り上げた。ユーザーがこの日記に話しかければ、システムが自動でユーザーの感情を分析し、その結果を保存していく。毎日この日記に話しかければ、ユーザーは自分の感情や体験が時系列にまとめられた分析結果を目で確かめることができる。人工知能を利用して人間のメンタルヘルスを向上するというアイデアは、とても素晴らしい。
TechCrunchライターのKate Congerは、このプロジェクトを紹介した記事をすでに発表している。それくらいクールなプロジェクトだったのだ。
第2位:Sayfe Space
難民はさまざまな悩みを抱えており、それが精神的な問題を引き起こしている。友人や家族からのサポートや、メンタルヘルスの専門家からのサポートが無ければ、その悩みを解決することは難しい。Sayfe Spaceが提供するプラットフォームでは、難民が自分の悩みを自然な形で打ち明けることができる。彼らが置かれた状況に共感し、彼らをサポートしたいと願うボランティアが、匿名性のチャットを通して難民が抱える悩みを解決するという試みだ。このチームもIBM Watsonを利用して自然言語処理を行い、チャットボットとの交流体験を向上させている。
第3位:DoshBot
DoshBotはユーザーの資金管理を助けるAIアシスタントだ。このボットはユーザーの銀行取引に関するデータと位置情報を取得し、それをTwitterやFacebookなどのSNSから得た、ユーザーの感情データと融合する。
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