DJIはドローンの新製品の秘密保持という点ではこれまでもあまりいい成績を収めていないが、今回のMavic Airも直前に写真がリークされた。今朝(米国時間1/23) ニューヨークで開催され、リアルタイムでストリーミングされたプレスイベントで発表されたMavic Airの内容はだいたいわれわれの予想どおりだった。ハイエンドのMavic Proと普及版のSparkの中間の位置づけとなる製品で、DJIが一般消費者向けに力を入れていることを示すものとなった。
DJIによれば「われわれはポケットに収まるほど小型で十分な空撮能力がある製品を作るために一から設計した」という。たしかにスマートフォンのサイズのプロダクトで、北アメリカ事業の責任者はイベントでベストのポケットに2台のAirを入れてみせた。Proのほぼ半分のサイズで重さは41%に過ぎないという。
Airの本体には3軸(自由度)のジンバルで4Kカメラが搭載されている。静止画は12メガピクセルで撮影でき、低照度の条件にも強い。HDR機能も内蔵されており、露光条件が場所によって大きく変わる風景撮影などでは特に威力を発揮する。DJIによれば静止画を貼り合わせてパノラマ写真を作成するなどソフトウェアにもいくつかのアップデートが行われたという。
動画安定化の要となるジンバルは本体同様、まったく新しく設計された。システムは本体内に完全に収まるので全体のサイズは驚くほど小さい。8GBのメモリーを備え、microSDカードを追加しなくても動画、静止画を記録できる。
AirはGoProが突然ドローン市場から退場して以来、この市場で初の新製品だ。GoPro KarmaはMavic Proにきわめて近い製品で、実際この製品はGoProとDJIの提携から生まれたものだった。
AirはActive Trackという機能を備えており、移動する対象を自動的に追尾できる(Karmaにこの機能が欠けていた)。アクションビデオを撮影しようとするユーザーはドローンの操作を友達に頼まずに自分を撮影できる。AsteroidとBoomerangという機能はボタンを1回押すだけで予めプログラムされたスタイルでパノラマ動画が撮影ができる。
Mavic Proは出荷が遅延するなどつまづきがちなスタートだったが、結局、優秀な製品であることが判明し、成功を収めた。これによりDJIは続いてスマートフォンサイズでユーザーが手の平を見せて動かすなどジェスチャーで簡単に操縦できるドローンを昨年5月に発表した。
残念ながら、われわれはこのドローンをテストしているときにブレードが当ってビデオのプロデューサーが指を怪我するトラブルに見舞われた。ジェスチャーによる操縦は「当たるも八卦」の傾向があり、あまり信頼性が高くなかった。たしかに一般消費者を意識した製品として意欲的だが、未完成という印象だっった。
第一世代のプロダクトから教訓を得て前モデルにおける問題が今回Airでは改善されているよとよいのだが。【略】
Airではドローンに向かって両手を伸ばし、閉じることでフライトを終了を命令できる。ユーザーが片手を伸ばして地面を指差すとドローンはその場所に着陸する。この機能は5.8メートル程度の距離まで有効だという。操縦にスマートフォンを使えば80メートルまで、リモコン・ブースターを使えば4キロメートルの距離から操縦できる。スポーツモードではドローンは時速68キロメートルで飛行する。一回の充電による飛行時間は21分だ。
前モデルはmicroUSB.だったがAirはUSB-Cポートを備える。ミニサイズのボディーながらさまざまな安全機能、位置トラッキング機能が組み込まれているという。
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Airの価格は799ドルからとなっている。399ドルのSparkと999ドルのProの中間だ。Airには999ドルのコンボパックも用意されており、2個のバッテリー、予備のプロペラ、充電ハブ、携行用バッグがセットになっている。Airは今日からDJIのサイトで予約注文ができる。出荷は来週、1月28日からだという。カラーバリエーションはホワイト、ブラック、レッドの3種類だ。【略】
空撮のプロにとっては799ドルは手頃な価格だろう。アマチュア・フォトグラファーやアクション・スポーツ愛好家も大いに興味を持つだろう。一般消費者への浸透に関しては、ジェダイ・マスター式のハンドジェスチャーによる操縦が今後どれだけ信頼性を高めるかによりそうだ。ともあれ昨年のわれわれの場合のようにビデオ番組のプロデューサーの指を切るような事態を引き起こさないことを期待したい。
ただし、誰にも使いやすい信頼性の高いジェスチャー・コントロールが採用されたとしても、799ドルから999ドルというのは、一般人が趣味として利用するガジェットとしては(クールなおもちゃであることは間違いないが)やはりまだ高価だろう。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)