今日(米国時間10/1)100万ドルのシード資金を獲得してステルスを脱したテキサス州オースチンのStackEngineのプロダクトは、企業のITスタッフなど、dev(開発)よりもむしろops(運用, operation)側の人たちにDockerのコンテナを管理する方法を提供し、Dockerのインスタンスをコントロールする能力の一部をオペレーション側に与える。
同社のファウンダBob QuillinとEric Andersonは、CopperEggやHyper9、VMwareなどでオペレーションサイドにいた人たちだが、そんな彼らにも、急速に人気を拡大しているDockerは気になる存在だった。先月Dockerは4000万ドルの資金を獲得して、デベロッパたちの関心がなお一層高まっていた。
簡単に言うとDockerは、アプリケーションのためのLinuxコンテナを作る方法を提供するオープンソースのプロジェクトだ。アプリケーションが単一のサーバ上の一枚岩的なアプリケーションではなく、複数のサーバに分散するようになると、そういう現代的なアプリケーションをより効率的に展開しアップデートするための方法が必要になる。Dockerはまさにそれを、デベロッパに与える。
デベロッパが望むとおりの構造と機能を持つDockerは、デベロッパたちのあいだで、たちまち人気者になった。しかしStackEngineの協同ファウンダQuillinが指摘するように、その人気には、Dockerのコンテナを管理するオペレーションスタッフのための管理ツールの、開発が伴っていなかった。そんなギャップを機会としてとらえたのが、StackEngineだ。
“デベロッパたちがDockerを抱えて前進するための重要な活動はいろいろ行われていたが、現代的な管理をサポートするツールやソリューションがなかった”、とQuillinは説明する。
アドミンのためのツールとしてはPuppetやChef、そのほかのオープンソースのソリューションなどをつぎはぎして間に合わせる方法はあった。しかしDockerに関しては、何百何千ものDockerのインスタンスから成る大規模なアプリケーションの運用を管理できるほどの、高度な商用のソリューションがなかった。StackEngineは、それをねらった。
彼らは、オペレーションサイドがDockerの管理をすぐに理解できて、コンテナがVMwareの仮想マシン群や複数の(ベンダや場所の異なる)クラウドに分散している場合でも、もっとも効率の良い分散状態を実現して、それらの日常管理を自動化できるツールを作ろう、と思い立った。
StackEngineを使うと、スクリプトを書いてコンテナの始動、停止、移動などができるし、コンテナのホストや個々のコンテナに関する情報を視覚化できる。特定の情報だけをフィルタして見るのも、ワンクリックでできる。名前を指定して個々のホストやコンテナを検索できる。コンテナを複数のクラウドや仮想マシンのどこへでも配置して、動かすことができる。
プロダクトは現状でまだアルファだが、来月には公開ベータ、そして年内には一般公開にこぎつけるつもりだ。過去数か月、自己資金だけでやってきたが、Silverton PartnersやLiveOak Venture Partnersから100万ドルを調達できた今は、開発のピッチを早められそうだ。
かねてからDockerの周辺では、さまざまなツールの開発が行われているが、同社のように、すでに実働しているコンテナアプリケーションの、運用レベルの管理に特化したツールは珍しい。もちろん今では他社も同様のことをやっていると思われるが、こうやっていろんな企業が寄ってたかって、いろんなツールをすぐに作っていけるのも、オープンソースの大きな魅力とメリットの一つだ。DockerとStackEngineの例が、まさにそうであるように。
写真クレジット: (c) Can Stock Photo
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))