大型ユニコーン企業の一つ、Dropboxは素早いキャッシュ調達を必要としているようだ。Bloombergの最新の記事によれば、同社は6億ドルの融資枠を確保したという。これはDropboxが上場する前の最後の「資金調達」になるかもしれない。
Bloombergによれば、Dropboxは今年末の上場を計画しているという。ただし、 われわれの得ている情報ではこのスケジュールはまだ確定したものではない。
いずれにせよ、この6億ドルの使いみちはというと、まず第一には資金繰りに余裕をもたせることだろう。Dropboxが深刻なライバルに成長しそうな相手を買収するなど突然の資金需要が生じた場合に備えてのことだ。
次に、上場における選択肢を拡大できる。Dropboxは融資枠の確保により、上場を多少先延ばしできる。早めの上場を行えば融資枠に手を付けずにすむかもしれない。
どちらにせよ、Dropboxはフリー・キャッシュ・フローを増大させることができる。同社は通年ベースで10億ドルの収入を見込んでいるという。これは悪くない数字だ―驚異的ともいえる。
Dropboxは大企業をユーザーとして有利な契約を得つつ、独自のクラウド・インフラを構築してコストの削減に努めている。同社は以前はインフラとしてAWSに大きく依存していた。その後Dropboxは独自のデータセンターを建設している。
Snapはこれと反対のアプローチを取り、Googleのクラウド・インフラに向こう5年間で20億ドルを支出する予定だ。Snapの上場申請書にこの点はリスクとして記載されていた。Dropboxが独自のインフラを所有することは同社に対する投資家にとって有利な条件となる。
Dropboxは融資の一部をインフラ投資に充てることもできる。自らインフラを所有することは有利だが、巨大な資金を必要とする事業だ。
JPMorgan、Bank of America、Deutsche Bank、Goldman Sachs、Macquarie、Royal Bank of Canadaなどの銀行が今回の融資枠を提供する。上場にあたってはこれらの金融機関のどれかが幹事を務めることになるかもしれない。Dropboxとしては有利な条件を交渉中なのだろう。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)