eコマースロジスティックスのShippitが23.6億円調達、東南アジア事業拡大を目指す

Shippit(オーストラリア、シドニー)のeコマースのロジスティックスのプラットフォーム、ShippitがTiger GlobalがリードするラウンドBで3000万豪ドル(約23億6000万円)を調達することに成功した。ラウンドにはJason Lengaも加わっている。同社はこの資金により東南アジアにおける存在を拡大する計画だ。2014年に創立されたShippitはロジスティックス全般を効率化することを目的とする。同社は発注に対する最適の配送業者の選定、積荷のトラッキング、返品の処理などを自動化するテクノロジーを持つ。

今回のシリーズBによりShipitは2017年以降、4100万豪ドル(約32億2000万円)を調達したことになる。資金は東南アジアを中心とする事業拡大に使用され、ソフトウェア開発者50人を含む100人を新規採用し、社員数を倍増させる計画だ。

Shippitによれば、現在オーストラリアでSephora、Target、Big W、Temple&Websterなど数千の小売業者の配送を月に500万件処理しているという。同社は5月にシンガポール、8月にマレーシアにオフィスを開設した。

共同ファウンダーで共同CEOのWilliam On(ウィリアム・オン)氏はTechCrunchの取材に対してこう語った。

東南アジアは5年以内に世界最大のeコマース市場になると予測されています。我々がターゲットとする市場は東南アジアだけですでにオーストラリアの5倍、米国の2倍の規模です。我々はフィリピンとインドネシアへの事業拡大を検討しています。東南アジア事業については今後3年間、最低でも前年比100%の成長を見込んでいます。

オン氏はまた「オーストラリにおけるShippitの事業も、過去12カ月で取扱量が3倍に増加しました」と述べた。

eコマースが拡大する中、新型コロナウイルス流行によるサプライチェーンとロジスティクスチェーンの不安定性があらわになったことはShippitのようなロジスティックスサービスの重要性を強調することとなった。アジア太平洋地域の電子商取引はパンデミック以前に急成長路線に乗っていた。Forresterによれば、こ同地域のオンライン小売売上高は2019年の1兆5000億ドル(約156兆円)から、2024年には2兆5000億ドル(約260兆円)へと、年平均成長率11.3%で成長すると予測している。

ライバルのスタートアップにはShipStation、EasyShip、Shippoなどがある。Shippitの競争戦略は、オンラインショッピングをできるかぎりシンプルにすることだという。このためオンラインショッピングカートと運送業者割当エンジンの統合などを目指している。これにより注文と同時に最適な運送業者の
決定までが自動的に行われるようになる。

関連記事:新型コロナパンデミックで米国におけるeコマースへのシフトが5年分加速

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Shippiteコマース物流東南アジア

画像クレジット:Kiyoshi Hijiki / Getty Images

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。