Elon Muskは、TeslaとSpaceXの経営に使っている残りの時間を使って、人間とコンピューターをつなぐ脳インターフェイスの会社Neuralinkに関わってきた。Neuralinkの究極の目標は、彼が関わる3社の中で実は最も野心的なものだろう。 Wait But WhyがNeuralinkの裏にある基本的なアイデアに関する驚くべき記事を掲載しているが、そこでは、より優れた高速のコンピューター=脳接続を実現することで、Muskが達成を狙っているものに関して、深く踏み込みが行われている。
Muskは、彼が実際にNeuralinkでCEOの役割を果たすことを認めた、すなわち彼は3つの異なる会社のCEOの座につくことを意味する。しかしNeuralinkの目標は、間違いなく3つのベンチャー企業の中でも最も空想科学小説(SF)的なものに響く。たとえ人類を銀河間植民種(intergalactic colonial species)にするというMuskのSpaceXの目標を考慮したとしてもだ。
基本的に、Muskが実現したいのは、人間が言語を発明したときと同じくらいのインパクトを持つ、コミュニケーションの飛躍を実現したいということのようだ。言語は考えを社会的に拡散する際に信じられないほど高効率な手段だったことが証明されている、しかしNeuralinkが狙うのはその効率を遥かに高めようとするものだ。人から人へ。Muskのビジョンは、人びとの間に直接的な「非圧縮」の思考のコミュニケーションを可能にすることだ。すなわち通常行われているような、自分の元々の思考を言語へと変換することで効率的に「圧縮」し、そして送られたパッケージを相手が言語的に「展開」するという、常に情報が欠落するプロセスを使うことを無くしたいのだ。
Neuralinkの技術は、人間がAIの急速な進歩と歩調を合わせていくことを助けることもできるだろう、そしてそれは基本的にはAIと人間の意識を統合することで実現される。Neuralinkの技術は、自意識やその他の高度な脳内能力と同じレベルで、AIを人間の追加能力の1つとして使うことを可能にする。そのような高帯域幅を脳に直接接続することが可能になると、私たちの核になる自意識と区別がつかないような方法で、私たちの自意識とクラウドベースAIを統合することが可能になる。それは言語による発言や表現を、それを生み出している脳の部分と分離することが難しいことに似ている、とMuskは語る。
この技術を、いかなる手段にせよ広範に商業的に適用できるまでの道のりはまだとても遠い。おそらくSpaceXが火星に到達するよりも遠いだろう。Muskは、同社が生み出す技術が障害のない人に利用されるまでには、おそらく少なくとも「8年から10年」はかかるだろうと述べている。Neuralinkは、その技術の治療的用途の開発をまず目指している、こうすれば人間を相手にした臨床試験に対する、規制当局からの許可が得やすい可能性がある。
Muskが3つ目のCEOを引き受けたことは、彼の会社への投資家たちの眉をひそめさせるだろうが、Neulalinkのミッションは彼の他の2社の目的とも見合うものだ、3社全てが、現在Muskが生存への脅威と呼ぶ問題を解決することに焦点を当てている。NeuralinkによるAIへの対応はその1つなのだ。
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(翻訳:Sako)