Encoreで愛する人に音楽ビデオメッセージを送ろう

イベントのためにミュージシャンやバンドをオンラインで見つけて予約できる英国のマーケットプレイスのEncore(アンコール)が、新型コロナウィルスの流行の中、ミュージシャンたちが追加の収入源を見つけつつ、私たち全員に小さな喜びをもたらすことのできる新しいオンライン製品を立ち上げた。

ミュージカルメッセージという名のこの新しいサービスを使うことで、ユーザーはEncoreのミュージシャンの1人にギャラを払い、パーソナライズされた音楽メッセージを作成してもらい、愛する人やその他の直接会うことのできない人に送ることができる。また同時に英国の国民保健サービス(NHS)を支援することができる。それは、委託されたすべてのメッセージに対して、Encoreが2.5ポンド(約330円)をNHSに寄付するからだ。

ローンチの際に発表されたビデオの費用は15ポンド(約2000円)だが、顧客にはビデオを受け取ったあとにチップを追加することでミュージシャンをさらにサポートするチャンスが与えられる。Encoreの共同創業者であるJames McAulay(ジェームズ・マコーレイ)氏は私に対して、先週実施されたMVPテストの最中には、ミュージシャンに仕事を続けてほしいという気持ちと共に、1本のビデオに最大50ポンド(約6700円)のチップを払った顧客もいたと語った。

「コロナウィルスにより、英国の周辺で何千ものイベントがキャンセルまたは延期され、(そして)現在、英国中のミュージシャンは皆家に閉じ込められて、パフォーマンスからお金を稼ぐことができません」とマコーレイ氏は説明する。「3月だけでも、Encoreは約500件のギグのキャンセルを処理する必要があったので、私たちはミュージシャンたちが家に居てお金を稼ぐことを助ける方法をブレインストーミングし始めたのです」。

現在、最も明白なミュージシャンの収入へのルートは、ライブストリームへの寄付を求めることだと彼は言う。「しかしミュージシャンたちの声を聞く限り、このアプローチの結果はまちまちだということです」。おそらくインターネットが今やライブストリーミングであふれ返っているために、供給が需要を上回っているのだろう。

「私たちはこの状況を超えて、寄付を求めることに依存しない魅力的な製品を開発したかったのです」とマコーレイ氏は語る。「私たちはまた、誰にとっても最も暗い時期の1つである現在、愛と希望のメッセージを広める方法を見つけたかったのです。その結果パーソナライズされた音楽メッセージのアイデアにたどりつきました」。

Encoreは先週以来、テスト期間中ですでに約100本のビデオのリクエストと撮影を行っており、少数のミュージシャンたちに対して約1000ポンド(約13万円)を生み出し、数百ポンド(数万円)をNHSに寄付している。だが、これはほんの始まりにすぎない(と期待したい)。

「送り手と受け手の双方からの反応は、非常に心温まるものばかりで、ミュージシャンたちはそれを楽しんでいます!」とEncoreの共同創業者は付け加えた。「これはチップメカニズムの成功にも反映されています、なにしろ、もともとのビデオの料金以上にチップを払う人もいるほどなのです」。

ところで、これまでに送信された音楽メッセージの例としては、直接祝うことができない誕生日のメッセージ、結婚記念日のお祝い、入院中だったり隔離されている人々へのメッセージ、あるいは単純に「愛してる、会えなくて寂しい」といったものがある。

「先週私たちは、10人のミュージシャンと協力してベータ版を作成しました。今週は2万人の登録ミュージシャン全員にリリースする予定です」とマコーレイ氏は語る。

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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