EV充電ネットワークのChargePointがSPACとの合併を経て上場へ

2020年、Canoo、Fisker Inc.、Lordstown Motors、Nikola Corp.などの電気自動車(EV)のスタートアップが、SPAC(特別目的買収会社)と合併して上場した。そして今、長くなる一方のSPACのリストにEV充電会社が加わり始めた。

EV充電ネットワークであるChargePointは、特定目的買収会社のSwitchback Energy Acquisition Corporationと合併する契約を結んだ。ChargePointのバリュエーションは24億ドル(約2520億円)。同社は、Pasquale Romano(パスカル・ロマーノ)社長兼CEOと現在の経営陣が引き続き率いる。新会社はChargePoint Holdings Inc.の社名でニューヨーク証券取引所に上場する。同社は合併が年末までに完了すると見込む。

同社はBaillie Gifford(ベイリー・ギフォード)氏などの機関投資家やNeuberger Berman Alternatives Advisors(ニューバーガー・バーマン・オルタナティブ・アドバイザーズ)が管理するファンドがリードした2億2500万ドル(約240億円)のPIPE(公開会社への私募増資)で資金を確保できたと述べた。同社の手元現金は約6億8300万ドル(約720億円)に上る。増資で調達したキャッシュは、負債返済、事業資金、成長資金などに使う。

「EV充電業界は成長しており、2030年までに充電インフラへの投資は1900億ドル(約20兆円)になると予想されている」とSwitchbackのCEO、CFOおよびディレクターのScott McNeill(スコット・マクニール)氏は声明で述べ、「ChargePointは求められているインフラを供給する良いポジションにいる」と付け加えた。

ChargePointはEV用のハードウェア、付随するソフトウェア、クラウドサブスクプラットフォームを設計、開発、製造している。同社はEVやSUV向けの公共・半公共の充電スポットだけでなく、家庭用充電器のブランドとしても良く知られている。またChargePointは、フリートオペレーター向けに配達用バン、バス、乗用車を管理するハードウェアとソフトウェアを提供する商用ビジネスも行っている。同社は世界全体で11万5000以上の充電スポットを持つ。北米と欧州全体のネットワークとのローミングにより、さらに13万3000カ所の公共スポットへのアクセスを提供する。

2007年創業の同社は、新しく得た資金を使って北米と欧州での拡大、技術ポートフォリオの改善、商用・フリート・住宅向け事業の大幅な拡大を計画していると語った。

ChargePointのSPACとの合併は1億2700万ドル(約140億円)の資金調達(未訳記事)の1カ月後に行われた。調達には石油、ガス、電力、ベンチャー業界の既存投資家から、American Electric Power、Chevron Technology Ventures,、Clearvision、Quantum Energy Partnersが参加した。

カテゴリー:モビリティ

タグ:ChargePoint 電気自動車 SPAC 新規上場 / IPO

画像クレジット:ChargePoint

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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