昨年の約束通り、Evernoteは今日(米国時間4/29)新たな料金体系を導入し、同サービスの無料プランとプレミアムプランの中間に位置するユーザーが購入しやすいプランを追加した。従来のプレミアムプランは5ドル/月から5.99ドル/月に値上げされる。
新たなプランは、Basic、Evernote Plus、およびEvernote Premiumの3階層からなり、オフラインアクセス機能、最大ノートサイズ、月間アップロード容量、コラボレーション機能等のサポートレベルが異なっている。
Evernote CEO Phil Libinは昨年11月にダブリンで行われたWeb Summitで、Evernoteサービスの有償プランを月額5ドルとした決定は一種の「思いつき」であり、会社は数年前からこの価格設定が誤りであったことに気付いていたと語った。彼は2015年早くに新料金体系を開始するつもりだと話していた。
無料のEvernoteサービスはBasicプランとして引き続き提供され、複数デバイスでEvernote利用、月間60MBまでのアップロードをサポートする。このプランでは個々のノートのサイズは最大25MB。
新たな中間クラス、Evernote Plusは月額2.99ドルまたは年間24.99ドルで、追加ストレージと拡張機能を必要とするアクティブユーザーのためにデザインされている。Plusユーザーは月間1GBまでアップロード可能で、オフラインアクセス、Evernoteへのメールの保存(最大250通)およびモバイルアプリのパスワード保護を利用できる。このプランではノートサイズは最大50MBへと拡大される。
一方、やや高額となったPremiumプラン(5.99ドル/月または49.99ドル/年)では、Evernoteの全機能が解放され、月間アップロードは無制限、Plusの全機能に加えてノートのプレゼンへの変換、Office文書や添付ファイルの検索、Evernoteファイルのシェアと協業、添付PDFファイルへの注釈、名刺のスキャンと文字認識等数多くの機能が利用できる。このプランではノートの最大サイズは200MB。
Evernoteは、使用頻度の高い機能 ― 例えば名刺スキャン ― を値上げしたPremiumサービスに移すことによって、機能を強化や拡張することなく既存の有償ユーザーからの収益を増やすことができる。しかし、現在月額5ドルのユーザーのうち2.99ドルで十分だと考える人々を失うことになる。もちろんその反対に、5ドルではなく月額2.99ドルで制限が減るならと無料プランから変更するユーザーもいる。
上記の料金プランは米国向けであり、Evernoteは現在サポートしている国々ではそれぞれ料金を最適化していると言った。現在Evernoteは20以上の言語をサポートしており、ユーザーの70%が中国を含むアジア圏から来ているほか、ブラジル、メキシコ、トルコにもユーザーがいる。国によって低料金で提供されている場合もあり、これはEvernoteがそれぞれの国で同製品を「手の届く」値段にしたいからだ。
現在の有償ユーザーについては一年間現行料金が継続する。しかし2016年4月29日以降の更新からは新料金が適用される。
Evernoteは企業向けのBusinessプランも提供を続け、これはIT部門向け管理ツールや、シングルサインオンのサポート、Salesforce統合等を含んでいる。このプランの料金は変更されない(一座席当たり12ドル以下、組織の大きさによる)。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)