eVTOL企業Joby Aviationがアジアや欧州でも早期に事業開始を計画

電動垂直離着陸型旅客機のスタートアップ企業であるJoby Aviation(ジョビー・アビエーション)は、最初の商業展開を北米で開始することを目指しているが、同社創業者でCEOのJoeBen Bevirt(ジョーベン・ビバート)氏は、アジアや欧州でも早々に存在感を示すことができると期待している。

米国時間6月9日に開催された「TC Sessions:Mobility 2021(TCセッション:モビリティ2021)」に参加したビバート氏は、最初に商業活動を行う場所は明らかにしなかったが、最近の発表によればロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、サンフランシスコ・ベイエリアに絞られているようだ。しかし、最初の都市がどこになるかについては慎重に言葉を選んだ。

「3つの地域にそれぞれ初期の市場を設定することになると思います」と、同氏は語った。「最初に事業を起ち上げる市場については、私たちのチームの多くが現在活動している地域に近いという理由から、北米になる予定です。しかし、すばらしい好機や都市は世界中にあります。私たちはできるだけ早く、多くの人々にサービスを提供したいと考えています。そのために、製造規模の拡大に力を入れているところです」。

Joby Aviationは、Toyota(トヨタ)の協力を得て設計された45万平方フィート(約4万1800平方メートル)の製造施設の建設を、2021年後半に始める予定だ。同社はすでに先行生産用の施設を完成させている。

かつては秘密主義的なスタートアップだったJobyは、この半年間に多くの衆目を集めてきた。2021年2月には、Reinvent Technology Partners(RTP)と合併することで同意に達したと発表。RTPは、
著名な投資家でLinkedIn(リンクトイン)の共同創業者であるReid Hoffman(リード・ホフマン)氏、Michael Thompson(マイケル・トンプソン)氏、Zynga(ジンガ)創業者のMark Pincus(マーク・ピンカス)氏によって設立された特別買収目的会社(SPAC)だ。ホフマン氏は、ビバート氏とともにTCセッション:モビリティ2021にも参加した。

SPACによる買収以前にも、Joby Aviationは長年にわたりeVTOLの開発で注目を集め、投資家を獲得してきた。トヨタは重要な支援者・パートナーとなり、2020年1月には6億2000万ドル(約679億円)の資金を調達したシリーズCラウンドを主導した。その約1年後、Jobyは複雑な取引の一環として、Uber(ウーバー)の空飛ぶタクシー事業であるElevate(エレベート)を買収している。

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現在のJoby Aviationは、2018年から取り組んできた米国連邦航空局(FAA)の認証取得に加え、eVTOL(電動垂直離着陸機)の製造に注力しているところだ。同社はまた、どこでどのように運用するかというピースを組み合わせ始めている。従業員数も過去1年間で2倍に増やし、現在は約800人を雇用している。

Joby Aviationは2021年6月初め、まずはロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、サンフランシスコ・ベイエリアを中心としたバーティポート(垂直離着陸用飛行場)のネットワークを構築するために、国内最大級の駐車場運営会社であるREEF Technology(リーフ・テクノロジー)および不動産買収会社のNeighborhood Property Group(ネイバーフード・プロパティ・グループ)と提携することを発表した。

2024年の運用初年度には、1〜2都市で事業展開することをビバート氏は想定している。

「私たちは、消費者のみなさまに変革をもたらす体験をお届けするために、十分な範囲のサービスを提供したいと考えています」と、ビバート氏はいう。「新しいサービスが開始されても十分な供給がないと、お客様は不満を抱くことがありますからね。私たちは、少なくとも需要の一部に確実に応え、お客様に本当に満足していただける体験を提供したいのです。私たちが企業として本当に大事にしている要素は、お客様を当社の熱狂的なファンにすることだと、私は考えています」。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Joby AviationeVTOLトヨタエアタクシー

画像クレジット:Joby Aviation

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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