Facebookには今でも人やFacebookページや場所のタグがあるが、近くユーザーが記事にハッシュタグを付けられるようにして、グラフ検索のインデックスや検索をしやすくするかもしれない。ある情報筋はTechCrunchに、Facebookがプロジェクトを進めていると伝え、すぐ後にThe Wall Street Journalも同じようなニュースを報じた。
しかし、この機能が実現するのはまだ遠い先のことかもしれない。Facebookは、グラフ検索の検索対象として、記事を追加する必要が出てくる可能性が高い。現在Facebookの内部検索エンジンが返すのは、人、場所、Facebookページ、アプリ、メディア、および興味だけだ。ただしFacebookは、いずれ記事の検索も実施すると言っているので、ハッシュタグはその機能を益々便利にするかもしれない。
ハッシュタグがないと、人気の話題に関する記事を探すためには、そこで使われている用語を正確に推測する必要がある。ハッシュタグの導入によって、自分の記事をグラフ検索が見つけやすくしたい人は、記事にハッシュタグを付ければ、別のユーザーが検索する際に関連するタグを見つけやすくなる。ニュースフィードで記事内のハッシュタグがクリックされた時に、Twitterと同じように、そのハッシュタグを含むグラフ検索結果を表示できる。
ハッシュタグは、ブランドやイベントがFacebookどの話題を誘導するのにも役立つ。ブランドのイベントやマーケティングキャンペーンを紹介する人にハッシュタグを入れるよう頼むことができる。Facebookはニュースフィードに、複数の友達が参照しているタグを表示する。広告主は、自社のビジネスに関係のあるハッシュタグが検索結果に表れるために喜んで料金を支払うだろう。Twitterでもよく行われていることだ。Mark Zuckerbergは、スポンサー付検索結果がグラフ検索収益化の自然な形であると認めている。
ハッシュタグと共に、グラフ検索に記事が入る時には、トレンドトピックの一覧も来るかもしれない。
しかし、Facebookのハッシュタグには大きな課題がある。殆どのユーザーが全体公開のTwitterとは異なり、Facebookではほぼ全員が何らかのプライバシー設定をしている。このためハッシュタグをクリックした時には、そのタグを含むもののうち、公開あるいはクリックした人が見ることのできる記事だけが表示されなくてはならない。プライベートな記事は内容だけ表示して作成者を見せないという方法もあるが、反発は必至だろう。
ハッシュタグとトレンドトピックの運用方法を考えることは、世界最大のソーシャルネットワークにとって、一つの社会学的挑戦である。うまくやれば、Facebookの時代精神を浮かび上がらせることができる。やり方を間違えれば、人々は記事にあのシャープ印を付けることを警戒するようになるだろう。しかしグラフ検索が記事を対象にするまで、ハッシュタグがFacebookで威力を発揮することはできない。
[画像提供:LeaveYourHashtagOnTwitter, People who make memes]
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi)