Facebook、デベロッパーによる監視目的のデータ利用を明確に禁止

Facebookは今日(米国時間3/13)、米国自由人権協会(ACLU)、およびColor of Change and the Center for Media Justiceからの高まる圧力にこたえて、FacebookおよびInstagramのデータを監視目的に使用することを明確に禁止するとデベロッパーに伝えた。

ACLUは、デベロッパーがFacebookのAPIで収集した情報を使って、法執行機関向けのツールを作っていたことを何度か暴露してきた。Facebookはその都度データへのアクセス権を取り消す決定を下してきた。昨年10月、ACLUの報告によって監視ソフトウェア会社のGeofeediaが、Facebook、InstagramおよびTwitterのデータを利用していたことが明らかにされた。同社は活動家の投稿をソーシャルメディアで収集して法執行機関に売り渡していた。Twitterは昨年、ソーシャルメディア監視会社のSnaptrendsおよびMedia Sonarのアクセスを遮断した。後者は#BlackLivesMatter や #IAmMikeBrown といったハッシュタグを追跡することで活動家を識別していた。

Facebookは、この種の監視行動はそもそも同サービスのポリシーに反していると主張してきた。しかし同社のボリシーは今日改訂され、デベロッパーは「同社から得たデータを監視目的のツール提供のために使用」できなくなった。Twitterは同様の宣言を昨年11月に発表している。

「目的は当社サービスのポリシーを明確にすること。過去数か月間、既存のポリシーに違反して監視目的のツールを開発・販売していたデベロッパーに対してわれわれは強制措置を講じてきた。基本的なボリシーを誰もが理解し遵守することを徹底させたい」とFacebookのプライバシー責任者代理のRob Shermanが規約改定の発表記事で語った。

Facebookは、監視ツールを作るデベロッパー数社と縁を切っており、他の数社にはアプリをポリシーに準拠させるよう働きかけている。

「ソーシャルメディア・プラットフォームは黒色人種の人たちが世間の不平等を訴える重要な場となっている」とColor of ChangeキャンペーンのBrandi Collinsディレクターは言う。「われわれはFacebookとInstagramの今回の行動を称賛すると共に、多様性と平等の価値を認めると公言する全企業が立ち上がり、ソーシャルメディアによる侵略的監視が、低所得層の肌の色の黒い人々や茶色の人々を標的にするために利用されることを防ぐ必要がある」

しかし、Facebookが監視は規則違反だと言っただけでデベロッパーが言うことを聞くとは限らない。現在Facebookは、自動と手動による検出に加え、ユーザーやACLUなどの支援団体の協力も得てポリシーに違反する製品を見つけようとしている。

ACLUとColor of Change and the Center for Media Justiceは、次の段階としてFacebookが積極的にポリシーを強制すべきだと言っている。これはFacebookがすでに実行していると主張していることでもある。「FacebookとInstagramは人的およびシステム的な監視機構を導入して、デベロッパーあるいはエンドユーザーによる規約違反行為を効果的に検出し、違反者には迅速に対処すべきだ」と、連名の 書簡でFacebookに伝えた。

デベロッパーはFacebookのデータの用途を開示する必要があり、Facebookはアプリを検査して規則に沿っていることを確認している。Facebookによると、ケースによってはさらに広範囲な監査を行ってデベロッパーがデータを悪用していないことを確認しているという。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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