iPhoneユーザーはさっそくライブビデオ配信の準備をしよう。Facebook対Twitterのビデオ・ストリーミング対決だ。今回アップデートされたFacebook Liveでは、ビデオはFacebook本体と連携しており、ソーシャル・ネットワークを利用できる上に後からいつでもビデオを再生できる。ライバルのTwitterのPeriscopeは本体と別個の独立したサービスで再生できるのはビデオ公開後24時間に限られている。
5ヶ月もかけてベータ版に徐々にバグ修正や機能追加を加えた後、とうとうFacebookがライブ・ビデオ機能をアメリカのすべてのiPhoneユーザーに公開した。iPhoneユーザーが近況を投稿しようとすると、写真、スタンプ、場所などの投稿ボタンに並んでビデオのライブ配信のボタンが表示される(Android版は現在作業中だ)。
Facebookはライブ・ビデオ機能にまず誰でも知っているセレブを動員した。つづいてMomentsアプリにジャーナリストや著名人が本人だと身元を確認されたアイコンを付して登場した。そしてついにすべてのiPhoneユーザーがライブ・ビデオを利用できるようになった。
ここでMeerkatの話題の話題が出ないのをいぶかしむ読者もいるかもしれない。Meerkatは運営中だが、背後にプラットフォームとなる巨大ソーシャル・ネットワークを持たないためストリーミング・サービスの話題からは除外される。
最大の問題は、ビデオ再生について「その場限り」を強制するPeriscopeの仕様がユーザーに安心感を与えるのかどうかという点だ。24時間で消滅することを知っていれば、送信するユーザーが自意識過剰を免れ、見る方には急いで見なければならないと思わせることができるだろうか? FacebookにはTwitterよりはるかに大きなユーザーベースがあり、ビデオ再生が恒久的にできることはセレブ、著名人を惹きつけるだろう。再生可能期間が長くなれば再生回数も増える。有名人がビデオ配信を使う場合、再生回数は重要な要素となる。
ユーザーへの通知も大きな差異をもたらす。Periscopeでは連絡相手全員の投稿が通知される。Periscopeの連絡相手は、多くの場合Twitterでフォローしている相手全員となる。Facebookの場合はもう少し控え目だ。ビデオ配信が通知されるのは「親しい友達」に登録されている相手、交流のあるセレブ、興味を抱いたページだけとなる。
次にストリーミングを実際に見る方法だ。Twitterの場合、Periscopesはインラインで表示される。つまりユーザーがビデオを見つけるのは簡単だ。ただしライブ配信が長引く場合はURLはニュースフィードからいった消去され、もう一度続きを見るためには再度共有されねばならない。
Facebookの場合、まずフィードが親しい友達などに制限されるので、リアルタイムで現場からニュースをストリーミングするには具合が悪い。しかしビデオ・ストリーミングに受け手側から大きな反応がある場合、Facebookのシステムは自動的に表示ランクをアップさせ、多くの人がビデオを見つけやすくする。大まかに言って、Twitterの場合、どのビデオを見るかはユーザーが決めるのに対してFacebookではシステムが人気あるビデオを選択して見つけやすく表示する。
しかしライブ・ビデオ配信をめぐるこの両者の対決は、こうした個々の機能の優劣よりも、最終的には、どちらのプラットフォームがメインストリーム・ユーザーの心をつかむか、カメラの前に立って顔を見せようという気にさせるかに重要なポイントがありそうだ。
〔日本版:TwitterのPerisocpeは日本からも利用可能。iOS、Android双方のアプリあり。Meerkatのストリーミング公開ページ、iOSアプリ、Androidアプリ。記事では触れられていないがビデオ通話ができる点では、Googleハングアウト、MicrosoftのSkypeがある。
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)