Facebook、一日のビデオ視聴は80億回、4月の40億回から倍増

Facebookのビデオ視聴時間が飛躍的に伸びている。現在、5億人のユーザーが一日平均80億回ビデオを見ている。4月は一日当たり40億回だった。Mark Zuckerbergが、Facebookの爆発的な2015年Q3決算報告に続く投資家向け会見で発表した。

このデータはあまり正確とは言えないと主張する向きもあるだろう、なぜならFacebookはわずか3秒見ただけでも「視聴」として数えるからだ。しかし7ヵ月間で100%の成長は、測定方法の制約を差し引いても、ユーザーが貪欲にビデオを消費していることを示している。

仮に1回の視聴当たり3秒としても、Facebookは毎日760年分の視聴時間を生み出している。これはFacebookには、デジタルへシフトしつつあるテレビCM予算を呼び込む場所が山ほどあることを意味している。現在テスト中のビデオクリエーターとの収益分配が始まれば、さらに視聴を伸ばすチャンスが増える。

この最新データは、なぜFacebookが、ユーザーがビデオを発見した後、実際に視聴するように仕向ける実験を山ほど行っているかを説明している。同社はウェブおよびモバイルで、推奨ビデオのインターフェースをテスト中だ。そこではFacebookがユーザーについて知っている全情報に基づいて追加のビデオを推奨する。この個人データこそ、Facebookがビデオの発見に関してYouTubeより優位にある点だ。

Facebookは、友達がシェアしたりFacebookでトレンドになっているビデオを、チャンネル別に見られる専用ビデオフィードもテストしている。チームは私に、いずれこのインターフェースが、椅子にもたれてスマートTVでFacebookビデオを見るユーザー体験を可能にすることも考えていると話した。

他にテスト中なのがピクチャーインピクチャーで、ニュースフィードを閲覧しながらビデオを見続けることができ、後で見るためにビデオを保存するオプションもある。

watch-while-multitasking

その一方で、Facebookは他のクリエーターのビデオを盗んでシェアする行為や人々に関わる大きな問題を解決しようと試みている。現在同社は、クリエーターが他人にアップロードされた自分のビデオをブロックしたり、場合によっては収益化できるシステムを開発している。

もし著作権問題が解決できれば、もっと多くの一流ビデオクリエーターを、Facebookがテストしていると先月話していた新しい収益分配プログラムに誘い込める。Mark Zuckerbergは今日の会見で、「ある種のコンテンツの中には、オーナーが報酬を得る良い方法さえあればFacebookにやってくる、というものもある … 最近われわれはこのためのビジネスモデルを発表した。

基本的にFacebookは、トップクリエーターからなる限定テストグループが作った特選ビデオを、同社の推奨ビデオとして見せている。もしこれらのビデオがユーザーをつなぎ止め、もっと多くのビデオ広告を見せられれば、Facebookは広告売上の一部をクリエーターに支払うことができる。

facebook-mtv

ビデオは、Facebookの使命、ビジネスどちらの未来にとっても極めて重要な役割を担っている。

会社の目的は、ユーザー同志をつなぎ、彼らが気にかけていることをシェアする手助けをすることだ。今やビデオは一番のシェア方法になりつつある。それは携帯電話に強力なビデオカメラが付き、スマホやコンピューターのストレージ容量が増え、高速モバイルネットワークによってアップロードや閲覧が簡単になったことも理由だ。2005年頃に写真をサポートして成功したFacebookが、今度はビデオの波に乗ろうとしている。

そして収益に関して言えば、ビデオ広告は最も高い料金を約束する。それが与える強烈な印象は、広告主をFacebookに多大な宣伝費を払う気にさせる。もしFacebookがこうしたビデオをいきなりフィードに流せば、ユーザーは反発するだろう。しかし、ユーザー生成ビデオの視聴時間が伸び続ける今、Facebookはあまり波風を立てることなくそっと広告を挿入することができる。

COO Sheryl Sandbergは今日、150万社の中小企業がビデオをシェアしたと言った。その中には費用を使ってビデオを広告に変え、視聴を増やした会社もあるに違いない。そして、今年米国のユーザー1人当たり広告売上が50%増加したことを踏まえれば、ビデオ広告戦略は回っている。

最終的に、もしFacebookがビデオを見る目的地となり、人々が吸い込まれるように見に行く場所になれば、それは彼らの勝利だ。そうなればFacebookは、注目を奪おうとする他のビデオ中心プラットフォームからの攻撃を防ぐと共に、稼いだ金をビデオの後継、バーチャルリアリティー等の戦略に注ぎ込むことができるだろう。

facebook-360-video

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。