Facebook、NGO向けに「今すぐ寄付」ボタンを導入。支払い情報収集効果も

本日(米国時間12/16)Facebookは、“Donate Now”[今すぐ寄付]ボタンを導入し、非営利団体の募金活動をはるかにやりやすくした。ビジネスへの副次効果? ボタンによってクレジットカード番号その他の支払い情報が登録されるので、FacebookはこれをEコマースやゲームの後押しに使えるかもしれない。

19の非営利初期パートナーが、各Facebookページのトップおよびニュースフィード記事の末尾にDonate Nowボタンを表示し始める。DonorsChoose.org(私のお気に入り)、Boys And Girls Club Of America、World Wildlife Fund、UNICEF、Red Cross、Kivaなどが参加する。しばらくテストした後、Facebookは同機能を他のNGOにも解放する予定で、希望者はここでサインアップできる。

Donate Nowボタンのおかげで、NGOはユーザーをFacebookや友達から離れさせることなく、その場でポップアップから寄付を受付けることができる。ユーザーは、寄付する金額を決め、支払い情報を入力するか既にFacebookに登録してある情報を使える。このポップアップによってコンバージョン率が上がり、困窮しているプロジェクトに多くの資金が送られるだろう。Donate Nowボタンは、友達に寄付を呼びかける便利な方法にもなるので、慈善行為がバイラルに広がる手助けになる。Facebookは、寄付金処理の手数料を徴収しない。

悲しいことに、企業はすべて邪悪であり、非営利組織を助けたいと思っている立派な人間などいるはずがない、と信じている人たちもいる。しかし、Facebookは純粋にそれらの大義に役立とうとしているようだ。たとえボタンが同社のビジネスを後押しするとしても。営利企業が慈善活動を始め、長期的には利益になるかもしれない、というのは最近のトレンドでもある。Facebookは、Internet.orgという途上国のインターネット利用を促進するプロジェクトを支援しているが、同サービスへのサインアップを増やすことにもつながる。また今日の午前、Comcastは数百万ドル規模の資金をオンライン教育事業のKhan Academyに援助することを発表し、より多くの低所得世帯が同社の低価格サービスを利用することを期待している。

[アップデート:Facebookは、寄付をした後、簡単にクレジットカード情報を削除できるしくみを用意すべきだろう。現在は、アカウント設定に行って支払い情報からクレジットカードを削除する必要がある。そこへのリンクを追加するか、寄付の流れの中に削除ボタンをつければ便利になる・・・が、今後NGOに寄付する場合には面倒になる。]

Facebookは、アプリストアを持つAppleやGoogle、さらにはAmazonらEコマース巨人たちと比べて、クレジットカード番号収集レースで遅れを取っている。支払い情報が登録されていないことが、Facebookゲームでバーチャルグッズを買ったり、友達にFacebookギフトカードを買ったりする際の障壁になっている。価値ある大義に寄付をするという道徳的要請が、クレジットカード番号を打ち込んだり、PayPalなど他の支払いサービスと接続するというユーザーのハードルを下げられるかもしれない。

登録されている支払い情報が増えることは、Facebookの最近のEコマース促進策、「Facebookでオートフィル」の強化にもつながる。このしくみを使うと、サードパーティーのモバイルアプリが、チェックアウト手続きの中にボタンを統合し、ユーザーは殆ど文字を打つことなくFacebookから支払い情報や配送情報を簡単に取り込める。

Facebookは、手数料も収益分配も要求していないが、オートフィルを通じて支払いデータを覗き見ることで、広告のROIを証明する計画だ。例えば、あなたが広告をクリックしてJackThreadsのEコマースアプリをダウンロードし、「Facebookでオートフィル」を使って以前Donate Nowボタン経由で入力した支払い情報をインポートして購入すれば、Facebookは広告主に対して、彼らのマーケティングメッセージがどれだけ収入を生んだかを伝えられる。

こうしたDonate NowがもたらすFacebookビジネスへの間接的促進は、彼らがこのボタンを作った直接の動機ではないかもしれないが、都合の良いシナジーではある。人々を友達や非営利活動とつなぐことが、たまたま彼らを広告主とつなぎやすくする結果にもなるというだけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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TechCrunch Japan

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