Facebook、Q2売上は予測を上回る93.2億ドル――ユーザー数の伸びはやや鈍化

Facebookのビジネスは2017年の第2四半期も依然好調だ。先ほど発表された決算資料によれば、売上は93億2000万ドル、GAAPベースの純EPS*は1.32ドルだった。アナリストの予測は92億ドル、 EPSが1.13ドルだったのでいずれも上回った。

売上増加率は対前年同期比で44.7%だった。2016年の第2四半期は59%のアップだったので、増加率はややスローダウンしている。この点についてはFacebook自身が「ニュースフィードに表示できる広告スペースが限界に近づいている」と投資家に警告していた。

ちなみに、広告スペースが限界に近くに連れて売上増加率が低下してきた経過は下の通り。

  • Q2 2017: 45 %
  • Q1 2017: 49 %
  • Q4 2016: 51 %
  • Q3 2016: 56 %
  • Q2 2016: 59 %

Facebookの売上のベースとなった月間アクティブ・ユーザー〔MAU〕は20億600万人で、前四半期の19億4000万人から3.4%増加した。前四半期のユーザー増加率は4.3%だった。Facebookの1日当たりアクティブ・ユーザー〔DAU〕は13億2000万人で前四半期は12億8000万人だった。対前年比では17%アップしている。決算発表直前のFacebookの終値は165.61ドルだった。時間外取引では若干下げたが、決算発表後後に反発し、1.35%アップして167.85ドル付近で取引されている。

第2四半期のFacebookの利益は38億9400万ドル、対前年比で71%アップした。Facebookの四半期利益がGoogleを上回ったのはこれが初めてだ。ただしGoogleの第2四半期の利益が35億2400万ドルと低調となったのはEUから課せられた27億ドルの独占禁止規定に基づく罰金のためだ。Googleではこの措置を不服として控訴している。

Facebookが計上したコストは49億2000万ドル、営業利益率は47%だった。前第1四半期は41%、30億6000万ドルの営業利益だった。従業員数は2万658人で対前年比43%のアップだ。Facebookが将来の規模の拡大をにらんで人材に投資していることをうかがわせる。資本支出(capital expenditure)は14億4000万ドル、現金及び現金等価物は354億5000万ドルに急増した。連年の黒字経営によりFacebookには必要とあれば大型買収を行うのに十分な手元資金がある。【略】

モバイルは今や広告売上の87%を占め、実額は80億ドルに上っている。前四半期は85%、前年同期は84%だった。広告売上総額は91億6000万ドルだった。

第2四半期にFacebookはエンタープライズ向けSNS、 Workplaceの無料バージョンのテスを開始した。Workplaceは企業向けコラボレーション・ツールとしてFacebookの有力な収入源となる可能性を持っている。今期、Facebookには500万の広告主が存在した。ビデオの5本に1本はFacebook Liveを利用したライブ配信だったという。

Instagramも引き続き拡大を続け、ユーザー7億人、 Directメッセージのユーザーは3億7500万人を数えた。Snapchat Storiesのデッドコピーと評されるWhatsApp Statusのユーザーも2億5000万人に上った。一方、Messengerの月間ユーザーは12億人の大台に達した

WhatsApp StatusはSnapchat Storiesのコピーが大成功

決算発表の電話記者会見でCEOのマーク・ザッカーバーグはAIがFacebookのビジネスに与える影響を論じ、「Facebookの人力によるコンテンツ監視の一部はやがてAIで置き換えられるだろう。大勢の目に触れる前に不適切なコンテンツをスクリーニングすることが可能になる。個人別のニュースフィードに適切な投稿を選択し、またフォローしていなくても興味あるページを配信するなどの面でAIは役立つ。広告ターゲティングもAIによって最適化が進むだろう。AIは〔Facebookの規模からして〕人力では不可能なレベルにFacebookを改良するはずだ」と述べた。

ザッカーバーグの発言でもっとも重要だったのは、WhatsAppのDAUが10億人に達し 、Snapchat Storiesのクローン、WhatsApp StatusのDAUが2億5000万人に達したことを明らかにした点だろう。

ただしザッカーバーグはMessengerの収益化に関してわずかに不満を感じているようだ。ザッカーバーグは「もう少し速い動きを期待したい。必ずそうできると信じている」と述べた。【略】

〔日本版〕*Facebookの決算資料によれば”Earnings per share attributable to ClassA and Class B common stockholders: diluted”〔クラスAおよびクラスBの普通株の1株当たり利益:希釈後〕についての数字。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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